第96話 謎の少女の正体は?(20)
と、なれば?
籍自身も致し方がない。と、いうか? 胡亥(こがい)姫さまが、他人の目──。
籍自身の目の前で悲しそうな顔や様子……。クラス中の者達が、雑談をしながらでも、『チラチラ』と凝視する瞳があろうとも。気にもしないで、籍自身へと寄り縋り、しな垂れ甘える行為をお姫さまがしてこようが、彼は黙認、了承を続けるしかない。
だって? 胡亥(こがい)さまは、籍の下知を不快、不満をあらわにした表情で、聞き入れた訳ではなく、己の下知、嘆願を素直に『はい。分かりました。わらわは、殿の意に反することはしません。素直に聞き入れる。聞き入れたので。わらわが殿に甘える事を。殿も素直に聞き入れてください。お願いします』と。
無言の相打ちと、様子と、容姿で告げてくるのだから。
籍は己の膝を家にいる二人の妃以外にも。自身の膝を与える権利を胡亥(こがい)姫さまへも与えるしかなくなった。
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