第59話 『黄泉の国』と言う名の不気味な名のゲーム……(2)

『パクパク』


『ムシャムシャ』とね。


 そんな様子の彼を対座で座る拍は。「(まあ、何て~。私の籍は、こんなにもカッコいいの~。もう、お姉ちゃんは、朝から~。家の籍(ひと)の顔を見て惚れるだけで、ご飯のおかわりができそう~。フフ、フフフ~)」


 心の中で満足、満点な気持ちへと移り変わり。今日も機嫌良く学び舎……。




 そう、拍殿は御機嫌麗しく大学へと足を進めることができるのだよ。


 でッ、稀に? 彼女の御主人さまである籍が、自身の頬左右や、唇の上下にご飯の粒をぽつんと付着をさせたら。


「もう~、籍は~。慌ててご飯を、自身のお口の中へといれるから。小さな子供みたいに頬にご飯粒がついているわよ~」と。


 不満を漏らしながら、拍は自身の華奢な指先を使用して、己の大事な籍(宝物)の頬に付着しているご飯の粒を、優しく摘まんで──。


 そのまま、自身の麗しい唇を開いて、パク──!


 そう拍は、不満のある口調で、己の大事な籍(宝物)へと告げる割には、彼女自身の美しい顔は、怪訝しい表情ではなくて緩み、ほころんで、大変に嬉しそうなのだよ。まるで己の大事な籍(宝物)の妻的振る舞いができることが、嬉しくて仕方がないと言った感じなのだ。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る