第38話 女同士の対面……(27)
確かに拍の、物の怪の女性への不満のある台詞の方が正しいと思う。
でも、それは拍殿から見た立場であり。彼女の姉……。
自身の妹が慌てふためきながら二階──。
それも? 自身の大事な宝である一人息子の名前、『籍―!』と、声を大にして叫びながら。息子のいる部屋へと早足で向かった妹君の後を追いかける梁殿からしてみれば。
彼女の妹である拍であろうとも敵であり。物の怪の女性が拍へと罵声した台詞である『淫乱痴女』な女性に代わりはないから。
物の怪の女性も拍殿もお互いさまで、お互いの女性が愛おしい思う殿方である籍に対しては二人とも、淫乱、淫らな振る舞いができる女性なのだ。
またそんな、三角関係……。
いや、梁殿を加えると真四角、正方形になる四角関係になるのか……?
まあ、そんなこと……。
と、いうか?
う~ん、そういえば? 拍の後を追いかけたはずの梁の姿が未だ見えないが一体彼女はどうしたのだろうか?
まあ、そんなことを思案していると。
「あ、あなたは、誰よ~? う、家の籍に……ッて、あなた~。何~?」と。
拍に遅れることほんの数分後に、籍の部屋へと辿り着き──。息子の部屋の中の様子を凝視──。
梁の大事な一人息子である籍の顔の前に、パソコンのモニター画面から肢体を半分だけ曝け出している女性を彼女は凝視して驚愕──。自身の両目を大きく開けながら絶叫を吐くのだ。
息子の部屋へと向かうのに、着替えることもしないで。
先程梁の妹である拍が彼女……。
そう、梁の妖艶、官能的な容姿……。真っ赤なスケスケネグリジェにノーブラの上に。梁の大変に締まったくびれた腰の下の位置の方へと着衣をする下着の方も、履いているのか、履いていないのか、傍から見てもわかりにくいティーバック仕様の黒のスキャンティーを履いたままの優艶な容姿でいるから。この女性(ひと)にも困ったものだと思うのと。
これでやっと? 変態、淫らな女性達三人が、出揃ったとも思うのだ。題の通りでね。
と、いうことで?
これから三人のお嬢さま達は、一人のオスを巡り争う訳になるのだろうな?
まあ、こんなことを脳裏で思いながら、この部屋にいる四人……。ドロドロした四角い関係を興味津々に見詰め──。今後の経緯はどうなるのだろうか? と、胸を躍らせながら観察、見詰め続けるのだった。
◇◇◇◇◇
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