第32話 女同士の対面……(21)
また、そんな自身……。
そう、自身の裸体を魅せれば、この家唯一のオスが自身の虜……傀儡されたペットとなると信じ疑わないからこそ。この姉妹は、こんな艶やかで魅惑的──官能的な容姿でいるのだと思われる。
『見て、見て、籍~? どう~? 美しいでしょう~?』とでも言いたい様子……。
愛する彼に魅せ、『早くこちらにおいで~。愛してあげるか~』とでも言い多様子で各自の部屋で待っているのかもしれないね?
禁断の恋に燃えるお嬢さま達二人は……。
と、少しばかり妄想話しのために、物語から飛んだので、話しを元に戻すことにする。
まあ、とにかく、この姉妹は、お互いの宝物を巡って対峙──!
どちらも引く気がない様子で、数分間の時を、睨み合いを続けているのだ。
二階の自分達の宝物が妖怪、物の怪、お化けの餌食……食われそうになっていることも知らずにね。
『ギリ、ギリ』
『ギシ、ギシ』
『グググ』と。
自身の歯の噛み合わせの音や、奥歯を力強く噛みしめながら音を出し──。
お互い相手に対して嫉妬、殺意に満ちた瞳で睨み合い……。
お互いの出方を窺う愚かな二人の姉妹だったのだ。
◇◇◇◇◇
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます