第27話 女同士の対面……(16)

 だから自分自身の大事な宝を妹に盗られていないと梁は確認できたので安堵するのだが。



 自身の姉に当たり前……。




 と、いうか? 世間一般的に理解ができないというか?



 この日の本では法律でも禁止されていることだから。梁自身も何も気にもしないで、妹の伯へと告げた台詞……。




 それを聞いた伯は、自身の顔色を変え始める。



 ……だけでは済まないようだ。



 だって伯は、姉の梁の何気ないセリを聞き──。


「うっ、ううう……。姉さん……。酷い、酷いよ。何でそんな酷いことを言うの……」


 伯は、姉の梁に対して、恨み言でも漏らすような声色で不満を漏らすのだ。

 それも拍は、気落ち落胆しながら。その場にへたり込んでしまう。



 ……だけではなくて。



「うぇん、うぇん、うっ、うわぁあああ~。うっ、わ~ん、わ~ん」と。


 声を大にして泣き始めるのだよ、だけではい。


 更に梁へと恨み言を申すように不満を漏らすのだ。


「何で姉さんは、私と籍の子供を見たくはないと言うの~。私と籍の子供だよ~。絶対に可愛いに違いないのに~。何でそんな酷いことを、実の妹である私へと平気に告げてくるの~? そんなに姉さんは~。妹である私のことが憎いの~?」とね。

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