浴室のよくある

韮崎旭

浴室のよくある

 なんでそんな頻回に風呂入ってんの衛生管理なら過剰だし君はそういう人間には見えないな、だって釘のサラダ作るような人間だろ?


 風呂には他人がいないからね、掃除も楽だし。排水溝に吸い込まれる人血を思い出しながらいうむろんその人血の出所は俺。そのへんの缶とかPTP包装シートとかが以外に便利な凶器になる、缶詰のふたは本当に鋭利なので危険だから釘。

 釘のはしには無機的な光沢あり、床になにを放置したのか目視で判別不能なほど床が雑然としている。サラダはそういう冗談だったが俺はそれ以来釘のサラダと呼ばれているという話はしたのだろうか。鋏も準ずる便利さをもつ。が一おしは釘。扱いに気を付ければ痛いし真皮は破るが重大な怪我にはいたっていないし何より刃物ではなく寝所の枕元におくといいインテリアになる。

 でも釘だけじゃ味気ない刃物が使いたいそんな朝も昼も夜もある、そうだろ、もう自分の皮膚を損傷することにしか喜びを見出せないくらい中毒しているけれどまあそういうことであって。皮膚、内臓の痛みはなぜか苦手だ。まあそれは置くとして、皮膚を裂いて浴室の床に流れる水に赤系の表紋を作ることが楽しくなってきた。

 

 記録画像のせいでちょっとかなりどぎつい映像フォルダができてきたいやこれは浴室の外の話だ。生活防水が何たるかをまるで理解していないからな。ああそれと衛生的にも保安ができるし無事に軽微な傷でもしっかり痛みを知覚できる。でも浴室以外の床も惨状なわけで、それは俺が片付けというものに嫌われているからなのだが、おかげで何かわからない傷がくるぶしにあるが床にあるものから原因の物体を目視で判別することはできそうにない。

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