ひだまりの民の勝利報告?その2

ガチスのAIはひだまりの用意した仮想領土で戦う工作員を高評価にしつつ、ひだまりの実際の電脳領土に攻め込んだ工作員に対しては厳しめの評価を下しました。

そして、その落差を見たガチス上層部は、裏切り者の存在を予感します。


そしてバグダとテレスが実にいやらしい方法で裏切り者と思われる情報をガチスに向けて放つ、さて続きを紹介しましょう。


SNSで最も激戦となる重要拠点、ひだまりの実在するSNS領土で戦うガチス工作員の裏切り者情報を仕入れたガチス上層部と情報部は怪しい工作員を片っ端から罰していきました。


それはあたかも塹壕戦の中での戦いで膠着状態であることにしびれをきたした軍が、無理やり突撃命令を出し、それに従わない者を背後にいる督戦隊が銃弾で撃つような有様でした。


バグダは軍事マニアのゴカンが良く知り、喜びそうな話題を交えて説明しました。

もともとAIで効率的に運用していたSNSでしたので、こうした無理やりな方法は効率がよくありません。


しかし、ガチスは過去の戦争においてもこうした方法を使って戦っていたので今回も自信をもってその方法を推し進めました。

バグダは補足します。


「これは推測ですが、中にはこの方法はよくないと進言した人間もいるでしょうが、さてさて、恐らく反逆者として処罰されるか、臆病者として相手にされなかった、恐らくガチスのことだからそんな感じだったんじゃないすかね」


天才特有のおかしな言語を使いながらバグダは話を続けます。

「この時点で囮の電脳空間にいる工作員は適当な報告をしていたでしょうし、激戦区で正直に答えた連中は粛清されたろうから、AIにまともな、真実の情報は入ってこない、つまりAIを潰したというわけです」


さらに彼は追加でざっくり下記のような内容を話します。

AIは正解を見つけるのがうまいから、わざと情報は玉石混合にしたこと。

それも法則性がないようにし、わざとまともな工作員の名前も数名紛れ込ませたこと。


ただし、明らかに優れた工作員にフェイク情報を流すとAIやガチスの勘のいい連中に気づかれる可能性があるのでかなり気を使って工夫した事。

バグダは自分の芸の細かさを自慢したいようでもありましたが、あまり他のメンバーの共感は得られなかったようです。


少し落胆して話を終えたバグダ、会議はまだ続きます。

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