変人たちの最激戦区その2

お人よしのひだまりの民にはなじまない、だまし合いの戦いがSNSとリアル双方で行われています。

バグダの部隊はほとんど無秩序にひだまりの上級国民たちにスパイのレッテルを張りまくりました。


この時、彼が用いた巧みな戦法は後日「2番目じゃダメ」作戦と呼ばれました。

それは各分野におけるブラックリストに載っていた一番工作員らしい、あるいは実績のありそうな人物はわざと外し、2番目に怪しい人物をターゲットにするというものでした。


実はこの時にはすでに若手官僚たちの会議の様子の一部がガチス情報部に流れていました。

いわゆるガチスから見て味方をわざとひだまりのスパイに仕立て同士討ちするアレです。


それに対しての対策も検討され、AIにもその点に対応する準備を進めていました。

所がその情報とは違い、主だった連中は狙われておらず、中にはガチスとはほとんど関係のない者までスパイに仕立てるという事象が頻発していました。


この様子を見てガチスのSNS部門の現場はひだまりの国の間抜けな姿をあざ笑いつつ本国に報告しました。

ガチス情報部も若手官僚の一部から仕入れた情報が信用に値しないと考え、この情報を流したひだまりの若手官僚スパイを軽んじ、信用しないようになりました。


そして、この状態により、ガチスのAIポイントについてある現象が起きていました。

それはガチス工作員のうち上位のポイントを獲得したものたちはますます成果を拡大し、それ以外の工作員はポイントを下げるという「二極化」が起きていました。


これによってAIは成果の悪い工作員をどんどん断罪し、情報部はAIの判定に従いひだまりの民の出来の悪いスパイを切っていきました。

文字通り断罪される例は少なかったものの、社会的地位を失ったり、今まで得ていた報酬を打ち切られたりとスパイたちはまさに追い詰められていきました。


これがテレビなどでコメンテーターや解説者や司会者などが必死の形相で自分の言葉を発していた原因でした。

自分たちの働きをガチスのAIと上層部に必死にアピールしていたのです。

そして更なる変化がガチスの情報網に起きますが、それは次回のお話で。

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