ひだまり戦線異状なし!
スパイ天国と言われたひだまりの国、その中で最後の仕上げとばかりに情報戦を仕掛けてきたガチス統合国とその先兵のごとき働きで敵意をむき出しにするデンゲル国。
一事はSNSにおいて圧倒的な影響力を保持していましたが、ひだまりの民の中の若者たちが最後の一線を守り切りました。
そして、我慢しながらも徐々にガチスとデンゲルの連合軍の攻勢を退け、その間隙を縫ってひだまりの若手官僚たちを味方に付けることでやっとこさ国対国の戦いにまで持ち込むことに成功しました。
さて、視点をガチス統合国の情報部およびプロパパガンダを仕切る上層部に移してみましょう。
まず、上層部に関しては、あと一歩でひだまりのSNSを掌握し、情報戦に圧勝した勢いで、ひだまりに対して物理的な侵略、すなわち戦争を仕掛ける算段でしたが、それが延期、挫折したことを受け責任者の内、罪人と思われる者たちを処罰していきました。
これで組織を引き締め、改めて大攻勢にでる準備を整えたと認識し、自信を深めています。
これに対して、情報部の方では、お上の監視と締め付けが厳しくなったためにピリピリしていました。
ですが、ここ最近ではひだまりの国のSNSの反応が緩くなったのか情報戦におけるポイントが少しづつ回復していました。
不思議な事に、SNSで反論したり、討論を仕掛けたりする分野と、まるで無抵抗かのようにガチス側の意見を述べる界隈があって、当然ガチスよりな分野に工作員が集まっていきます。
そこには沢山の親ガチス派のひだまりの民がいて、影響力を判定するAIも高スコアで評価していました。
少し、違和感はありましたが、全体としては以前よりも良い成績をおさめていたので、現場では安堵した空気が漂っていました。
ちなみにこのガチス有利なSNS空間を作成したのはムーンを中心とする女性3人組の部隊でした。
種明かしすると、出来るだけ多くの人間がいるように見せかけ、ガチスの工作員の思いを汲んでSNSでコメントや工作を行い、最終的にはAIポイントを高めるようにせっせとお仕事をしていたのでした。
この戦線ではガチス工作員にとって平和な電脳空間でしたので、彼らは自分たちの成果を過大に盛ったレポートを提出しました。
その時上役に異常はないかと定期的に聞かれますが、彼らは一様にこう答えます。
「ひだまり戦線異状なし!」
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