第43話 フウイの情報戦停滞す

フウイは無関心という籠城戦からは抜け出せたと考えていました。

確かに無関心の牢獄から抜け出し、より広いネット戦場の実感はありました。

しかし、この時期になると停滞を感じました。


フォロワー数が1400になってから停滞していました。

理由はフォロー数を減らしたためでしたが、そろそろバランスを考えると誰これ構わずという訳にはいかなくなりました。


それと、右寄りの発言をしすぎる可能性を考えてしまい、最近は穏便な表現や過度な政治的主張に気を付けることにしました。


彼はここはじっと静かなること林のごとくあるべきと考えていました。

一時的に風が吹いたとはいえ依然として宮崎や都城での知名度は低く、一部を除いては応援もない状態であると認識していました。


それでも、ろうそくの火が無関心の風によって消える寸前の状態よりははるかにましでした。


こういう時こそ昔(と言っても3週間)の応援者に感謝の言葉を丁寧に伝えるべきと考えまずそうした古参の皆様からツイートしました。

こういう時フォロワー数の多いインフルエンサーでも派手に宣伝をかます人たちよりも優先するのがフウイらしい不器用なところでした。


ありがたいことに古参の応援者の多くはなにもお願いしなくても応援してほしい情報にいいねを付けたり拡散したりしてくれました。

あるかわいいショートカットの青い髪のアイコンの人はほとんど全部にいいね!をつけてくれました。


ある時フウイが間違えた情報(正確にはジョーク)をリツイートしたとき慌てて消した後、すぐにその方に連絡をしたら、どれを消したら良いでしょうかとすぐに返事が来ました。


つまり機械での自動によるものではなく自分で読んで一つ一つボタンを押してくれていたことが証明されました。

フウイは偶然のトラブルを恥じつつ、こうした事実を知るきっかけとなったトラブルに心の中で感謝しました。


彼は以前(第29話 フウイの活動報告)都城にはヤマト級のインフルエンサーがいる、そしてその可能性がある限りあきらめるわけにはいかないと語っていた。

ある時、情報収集のため「都城」を検索するととある芸能人にたどりつきました。


実はあまりテレビを見ないフウイはこの芸能人をを知りませんでした。

彼がどのような人物かを知るのは少し後のことになります。

都城がらみということで今までの行動パターンをなぞらえ普通にプロフィールを見ていたところその芸能人はヤマト級の人物と深い関わりのある人物であることが分かりました。


冷静なフウイもこれには一瞬きょとんとしました。

「現実は小説より奇なり」というがこんなことがあるのか?フウイは運命的なものを感じました。


この後フウイはどのような行動をとるのでしょうか。

それは次の章で。 

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