第29話 フウイの活動報告

この章はフウイの活動についての独白が中心です。そのためことばがフウイの表現でされていますのでご了承願います。


私は焦っていた、ツイッターを始めてから島津大河誘致を世間に知らせようと色々活動した。

いくら時間があっても足りないくらいだ。


いつもフォロワーの数を気にしている、まるで増えないときがある、何度クリックしても同じ数字、あせる。


コメントも来ない、アンチでもいい、知ってもらえるならいっそ過激なことを言って人目に付くような方法は、い、いかん、それでは島津誘致がご破算になってしまう。

焦るな、援軍は必ず来る、目的は必ず達成される、信じるんだ、大義を、将来の可能性を。


少しフウイは落ち着いた。

情報戦とは考えていたがこれでは籠城戦だな、応援という兵糧と新しい言葉という武器がなければ、士気が落ちて落城してしまう。


援軍がほしいなあ、祭り之介はうまくやっているだろうか、彼も不器用だから難儀してるんじゃないだろうか。

コモロウは、、、、、、、、 まあいいか。


なあに、もともとゼロからはじめた作戦だ、失うものは何もない。

フウイは士気を高めるため応援について頭を整理する。


歴史小説家のあの人の声援はうれしかったなあ、経験者かつ先達の言葉だけあって自分が気づかない良さを繊細で巧緻な表現で励ましてくれたなあ、地元の町おこしの人も同じ悩みを抱えていたっけ。


小説を書く人からは応援の言葉を沢山いただいたなあ、応援してくれる小説家たちの文章を少しづつ読んでいるうちにさらに良い表現を学ぶこともできた。

島津だけじゃない、佐竹、加藤、浅野、石田、他にも沢山の武将たちのファンとの交流もあった。


小説を読む人たちからの沢山のいいね、猫好き動物好きの人からの応援や励まし、

そして、島津家の教えと福祉や弱いものいじめについて書いたとき正直予想を超えた反響があったなあ。


こうして思い返すとずいぶんと進んだものだとある種の感動すら覚える。

普段温和で冷静なフウイもこの時ばかりは瞼が熱くなった。

すべてはあの時始まった。


ハートをつけないってどういうこと、自分のページのハートぐらいつけなさいよ、手間じゃないんだから、だまされたと思ってハートをいっぱいつけなさい。

この最初のアドバイスからことは進んでいったのだ。


今その人は心に何かあるのだろう、小説を休み休養するという。

恩義を感じるフウイは恩人の快方を願った。

とはいえ、策士フウイは援軍に関して秘策があった。


都城には「ヤマト級」のインフルエンサー(ネットで影響力のある人)がいる。

風の便りで彼のもとに便りが届き助力が叶えば形勢は一気に逆転する。

その希望がある限りは負ける戦いじゃあないな!


再びフウイはやる気を取り戻しパソコンの前でかつて徳川家康が関ケ原前に味方を増やすために手紙を沢山書いた故事にならい文章を拡散していった。

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