第24話 わたあめ作戦

フウイは早速猫を手掛かりに情報の拡散方法を探りました。

まず、ツイッターで猫のアイコンをつけようといろいろな猫動画や写真を片っ端から見まくりました。


さすがに猫好きのフウイもこれはさすがにきつかったのか少し休むことにした。

それにしても、フウイは思う、猫ってこんなに人気なのか。


祭り之介がツイッターでいろいろなうんちくや自分の熱い思いを発信しても2桁行けば御の字なのに、猫動画は軒並み単位がK(1000単位)で表示され完敗でした。

ではと、友人からニコニコ動画でかつてアップした画像をツイッターに貼りましたが、これも祭り之介の熱いつぶやきと同じ2けたでした。


やはり競争の激しい分野はそれだけ大変なんだなあと不器用な手をうごかしながらフウイはため息をついた。

フウイはかつて猫を飼っていました。

一匹目は三毛猫のような姿をしたおとなしい猫でしたが弟が間違えて殺してしまいました。


2匹目は茶色のマダム猫でした。

3匹目は親が車にはねられ、その場で泣いていた小さな黒猫でした。

マダム猫と黒猫は相性が悪くついにはマダム猫が負けてしまい家から出ていくことになりました。


黒猫は21歳まで生きましたが、わがままで甘えん坊でフウイとしてもいろんな意味で忘れられない思い出となりました。

猫に関し並々ならぬ感情があるフウイでしたが今は祭り之介の島津大河誘致運動の為に何ができるかを考えることに気持ちを切り替えました。


「わたあめ作戦」猫の画像や動画で人をひきつけそのあとに島津義弘や島津家と猫の逸話を知ってもらおう。


最初は薄い関心や知名度が、徐々に熱くなりそしてフウイたちが知らないうちに大きな熱情の塊となっていく、とにかく関心のない人々が少しでも関心を持ってもらうように表現を工夫しようと思いました。


一方祭り之介は島津義弘について話題を書いたとき、意外なことに気づきました。

雑学にような軽い話題よりも、障碍と福祉の内容の方が反応が良かったのです。

祭り之介は少し反省しました。


簡単に人気を取ろうとするより魂に響くメッセージを書いた方が人は関心を示すんだ、また一つ祭り之介は学びました。

それでも祭り之介のツイッターのフォロワーは少しずつですが増えていきました。


もちろんその数は何人、よくて十数人であり祭り之介が会話するほとんどの人がかれより多くのフォロワーを持っていました。


それでも胸を借りるつもりでいろんな人と交わっていこう。

彼の心は前向きに、そして伸び伸びとしていました。

結果を気にするフウイ、前向きに進む祭り之介、それぞれが工夫することで成果は徐々に積みあがっていきました。



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