其の壱 「花子さん」{怖}

これから書くのは、大学の友達Aの話。

俺がAから話を聞いたときはタンスに小指をぶつけて粉砕骨折プラス3日間の金縛りだったし、一緒に聞いたDはチャリにはねられて5針縫った。まぁそういうことなんで此処で止めとくのもいいかもです。


ここからはAの話。


「俺とB、Cで廃校に行こうって話になったんだ。


「で、Bん家集合してBの車の車の車で行ったんだわ。その時点で3回くらいエンジンかからなかったんだけど、逆にこれ絶対なんかあるやん!ってなって盛り上がってたんだ。


「ワイワイしてたら着いたんだけど、思った以上に見た目がヤバかった。ザ・廃校って感じで、結構有名な場所なのに何故か落書きがない。正直怖かったけど言えるわけねーもんで「ほら早く行こうぜー」とか言って3人で校舎に入ったんだ。


「結局、校舎一周したんだわ。でも、何も無かった。Bが、「なんもねーじゃん!」って言って壁を蹴ったんだ。そしたら壁にでっかい穴が開いた。


「穴の向こうはトイレだったんだけど、人が立ってた。おかっぱ頭に赤いスカート、白いシャツ。そうなんだよ。まんま"花子さん"だったんだよ。


「そいつはめっちゃB見てた。目の部分は真っ黒だった。


「走ったよ。「うああああァァああぁあああっァァァ!!」って情けなく叫びながら。みんな、本気だったと思う。今だから言えるけど、BやCの事なんかどうでも良かったね。それくらい怖かったんだ。


「走って走って、やっと車に着いた。すぐに乗ったんだけど、やっぱりというかエンジンがかからんくってね。


「めっちゃ焦ってて「かかれよぉ!」とか叫びながらちらっと校舎の方見たら、”花子さん”がめっちゃ走ってきてた。ようやくエンジンがかかってBが車をすぐ出したんだけど あいつ、車に追いついたんだ。


「そんで窓を3回バンバンバンッって叩いて消えた。


「泊まる予定だったCん家着いても皆ガタガタ震えてた。あれはめちゃくちゃ怖かったなぁ」

と、そういう話だった。


その後、Aは階段から落ちて腕の骨と足の骨、肋骨を折った。Bはその日使った車を事故で失い、Cは山で崖から落ちて今も入院中だ。

今まで誰も死んでないっぽいので、これ読んだ人も死ぬことはないと思うけど、お気をつけて。

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