王国軍の天使は帝国軍の化け物

雪月華@33331111

ルミナス・ドゥ・ルーナ志願兵

「お母様の本、わたしの剣、メイドに貰った鞄・・・これで全部ね!よし、いざ、憎き帝国を倒す旅へ、go!」


ルミナス・ドゥ・ルーナ・レザノア伯爵家第一令嬢。この瞬間にレザノア伯爵家のな、つまり帝国貴族の名を棄てた。この時御年14歳。母に教わった魔術と父に教わった剣技、そしてなにより見知らぬ男に教えて貰った様々な術。それをかかえて彼女は東のハンブルク第一砦を目指す。



【帝都・出国検閲門】



「ここで、名乗ればいいのよね?すみません、とおっても言いかな?」


「お名前をどうぞ」


「ルミナス・ドゥ・ルーナ・レザノア伯爵家第一令嬢」

「行き先は?」


「ハンブルク王国軍第一砦まで。」


「理由を」


「なんで?」


「王国領だからな。」


そう?と不思議そうに首をこてん、とかしげる。


「まあいいや。理由はね、ここ、ランドァサ帝国を滅ぼすため、だよ。その為にはまずハンブルク王国軍第一砦に志願兵としていけって本にかいてあったもの!」


「なに、を・・・」


「え?聞こえなかったの?だ!か!ら!帝国を滅ぼすためだよ!通してよねー!」

 

そんなもので通される訳などないのだが、箱入り娘のルミナスにはわからない。彼女は【嘘】を知らないのだから。怒りにかおを真っ赤にした検閲官は奥へ引っ込み帝国軍きってのエース、【心臓殺し】のランゼン・アナトミアを呼んだ。


「おい、お嬢ちゃん。」


「お嬢ちゃんって、私の事?」


「ああ。わりぃがなぁ、王国志願兵を見過ごすわけにゃぁいかねぇ。その心臓、頂くぜ?」


「えーっと、回りくどいのはきらいなの。直訳すると、闘おう、ってことよね?」


「まあ、それでいい。」


ランゼンの刃がキラリと輝き、ルミナスの心臓を突きに翔ぶ。


「おっそぉーい!良し、いくよ。」


その刃をするりと交わしてランゼンの首を







宙へ






・・・。ルミナスの服は反り血を浴びて真っ赤に染まっていた。

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