輪廻転生窓


同じことが回る。

人とか鳥とか蛙とか。

同じ生を巡る。

書いても消しても書いたことが無くならないように、回って廻って巡る。

風見鶏が教えてくれる方向に風はいつも吹いている。

君に言いたいことがたくさんあるの。

古ぼけた窓の外を覗いて欲しいとか、

そのまま足をかけて目を閉じてゆっくり落ちて欲しいとか、

落ちた先で必ず君を抱き止めるスーパーヒーローがいつもいるよってこととか。

木々の歌を聴いて。

虹色のペンシルで書きなぞって。

「もうそろそろやめれば」

って天使が囁いてもやめない君に、言いたいことがたくさんあるの。

君にとって重要事項がいくつも人生にはあるくせに見ないふりしないでごらん

誰でも彼でも美味しい幸せを手にしていい食券を持ってる。

くだらない嘘をつくサバトに君だけは出ちゃいけない。天使の言うことばかり聞いてもいけない。

君は君の足であの古ぼけた窓を覗いてそのままゆっくり風に吹かれて空を飛んでそして落ちて。

必ず抱き止めてくれるスーパーヒーローがいつでも微笑む悪魔より強靭に君の心に住んでいるはずだから。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る