第7話:カレンの決意
カレンはエルフの里を出てすぐの丘で、双子の赤ん坊を寝かせ置いて、カレンは座って呆然と空を眺めていた。
「これから……どうすれば……」
カレンは最早どうすればいいのか分からず、思わずそんな言葉が漏れた。
元々、カレンは死ぬつもりで「死の森」を訪れたのだ。それが、何の因果か、魔物に襲われた女性を救い、その女性の願いの為に動いた結果、女性の子達は救われたが、女性は息を引き取ってしまった。それならばと、女性の最後の願いである子供達をどうにかしようと思ったら、2人の受入は拒否されてしまった。
「私って……本当……何の為に「重戦士」なんかになったんだろ……」
カレンが「重戦士」になったのは全て母親の為だ。女が「重戦士」だなんてと言われてバカにされても、カレンは必死で「重戦士」として母親の為に剣を振るい続けた。
しかし、結果は母親は救う事が出来ず、更には、魔物に襲われた人をも救えず、その亡くなった人の望みすら叶えられない始末……
「私なんて……生きる価値が……」
カレンの瞳から涙がこぼれ落ちる。
と、そんな時……
『んぎゃあぁ〜!!?んぎゃあぁ〜!!?』
「えっ!?」
先程から大人しく寝ていたはずの2人が突然泣き出して、カレンは驚いてそちらを振り向くカレン。
「あなた達……そうよね……あなた達は生きたいよね……私と違ってまだあなた達は、生きる為の道すらまだ見つけてないんだから……」
カレンは2人が生きたいと泣き叫んでるように感じていた。そんな時、カレンは2人の母親の言葉を思い出していた。
『あなたの為に……あなたが武器を振るう理由を見つけなさい……』
『アイラ……キリカ……どうか……私達の分まで……』
1人は自分の母の言葉
もう1人はこの子達の母の言葉
2人の母の言葉がカレンの胸にスーッと入っていくのをカレンは感じていた。と、同時にカレンはおる決意を固めた。
「……お母さん……見つけたよ……私が剣を振るう理由……私は……この子達の母親になる為に剣を振るう!!!」
冒険者適正職業「重戦士」のカレンは、この日、新たにその剣を振るう為の意味を見出したのだった……
職業が「重戦士」で女らしくないとバカにされ追放された女性冒険者は母になる 風間 シンヤ @kazamasinya
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