若返り薬

@noritaka1103

第1話 購入

会社での激務を終え、自宅に帰る最中に妻に頼まれていた買い物に行く為、駅に直結しているショッピングセンターに立ち寄った。


「人参、ジャガイモ、玉ねぎ、豚肉…もしかして、カレーか!?」

送られて来たリストがカレーを匂わせる内容に少しだけ浮かれる。

そして、少し風邪気味だった為、同じ階の薬局にも寄る。


「薬剤師さん、すみません。風邪薬のコーナーってどこですか?」

初めて、入った薬局で意外にも広くラインナップが充実していた為、どこにどの薬があるのか分からなかったので、近くで品出しをしていた若い薬剤師さんに風邪薬の場所を尋ねた。

「風邪薬は、このコーナーです。カプセルとか錠剤とかを扱っております。また、水無しタイプもございます。万が一水が無い状況でも唾液だけで溶ける薬です。この薬は災害時や外出時に役立ちます。」

数多くの風邪薬に悩んだ結果、カプセル型の風邪薬に決めた。

「このカプセルの風邪薬にします。」

と告げて、精算しようと思ったその時に薬剤師さんに若返り薬を勧められた。

若返り薬は名前の通り、若返る薬。ただ、個人差が激しく、効く人も居れば効かない人も居るらしい。

そして、副作用がまあまああるらしく、ちょっと危ない薬に思えた。

「40代前後の方から好評なんです。学生時代に戻った気分。と高い評価を頂いております。どうです?」

半ば強引に勧められ、一緒に購入。


帰宅後、試しに若返り薬を1錠だけ服用し、就寝。

翌朝、目が覚めると身体が軽く感じたが見た目は全く、変わっていなかった。

まあ、1錠しか飲んでいないからだろう。

ただ、身体が不思議と軽く感じたのは、もしかすると薬のおかげなのかもしれない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る