第2話

子どものころから住んでいるここは、県のレベルでも地域格差が大きく県庁所在地に人も企業も集中している。




そのベッドタウンでもなれば少しは恩恵もあったろうに、県庁所在地とは2つ市をまたいでいるし、列車も1~2両編成がガタンゴトン言っている程度。


それでも田畑と山しかないとこに比べれば、海と浜辺、温泉や飲み屋街もある。大手の企業が数件あり空港も抱えているので極端な田舎ではないと思うのだが、どうも中途半端なようだ。




そんなとこの市長になった弟に突き付けられた問題は放置竹林問題。県レベルでも放置竹林が全国1位であるらしいが高齢者が自分の土地の手入れができなくなったため、次の議会までに調査をしなくてはならなくなった。




「今は補助金でとりあえず竹の伐採をしてるけど、全部はとても無理だよ」


「伐採した竹の処理も補助金頼みだから」




さすが、問題と言われるだけあって、あっても困る。切っても困る。




『ネットで見たけど、伐採した竹材の利用法っていくつかあるぞ』


「あることはあるけど、伐採して保管して加工して販売する。それに見合ったお金の流れは


確保できないよ」




なるほど、竹林に目線を絞っても問題解決まではゴールが遠いわけね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る