許さないのは
n.
第1話
許さないのは sgi
俺には2つ下の妹がいる。小さい頃から凄く仲が良くて、俺がどこに行くにもついてくる。そんな可愛い妹は、俺の妹でもあり、初恋の相手でもある。もちろん、このことは誰も知らない。世間が兄妹間の恋愛を許すならなぁ…なんて何度考えたことか。おっと、彼女が帰ってきた。
「ただいま〜…」
『おかえり、元気ないじゃん、何かあった?』
「うんー……とりあえずご飯食べたい」
『ん、出来てるよ』
両親は今旅行中で家を空けている。だから2人だけの時間なのだ。正直、仕事よりも大事にしたい。
「今日さ〜…仕事でめっちゃやらかしたの……」
『何したの、』
「上司の失言のせいで大きな取引が無くなったのに濡れ衣着せられたり、新入社員の躾がなってないって言われたり、プレゼンもあったんだけど相手が突拍子もないこと言い始めて台無しになるし…はぁ〜〜〜もう今日何なの…、」
俺が作ったシチューを口に運びながら不満を吐き出す。
『たまたま悪いことが今日に重なっただけだよ、明日は大丈夫だって。』
「だといいなぁ…」
あーもう!なんて言いながらシチューを完食する。頬張る姿がまた可愛い。
食べ終えて項垂れてる彼女に声をかける。
『ほら、お風呂入ってきな、』
「はぁい、」
彼女に何を言っても拗ねたような返事しかしない。これは甘えたいという伏線だろうか。いけない、期待しても無駄なのだ。
「お風呂上がったよ〜」
『ん、俺も入ってくる』
お風呂でぼーっと彼女のことを考える。冒頭でも言ったように、今日は両親がいない。少しくらい、アピールしても良いかな、なんて。
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