忘却の魔女
第180話 御影家の娘
二◯二◯年五月十日、ダンジョンが現れてから一年の節目の日に人類はダンジョン内における領有権を求めて様々に画策した。
その問題はある人物による超個人的な理由と手段でもって一応の解決を見せる。しかしその時、同時にダンジョンも枷(かせ)を外されたかのように変遷を起こしその形を思い出していく。その余波は地上にも及び、ある地域では地震と共にダンジョンが“溢れ出して”いた。
情報が管理されているその国ではインターネット上への書き込みが政府機関により検閲される。そのため異変は多くの人の目に触れる前に揉み消された。その事実を知った小数の者たちによる情報は眉唾とされ、信用を得るには至らない。そしてそれは大陸の国内外を問わない。
それから一月が経つ間、その事実に気付いた者たちは多い。その中には事実上インターネットというサイバー空間に対する絶対権限をひっそりと有しているエアリス、そして趣味がハッキングという少し危ない隠れオタク青年、玖内道景(くないみちかげ)も含まれている。
エアリスは実のところすぐに“少しの異変”には気付いていたが、それほど問題が起きていないと判断したようで悠人が知ったのはしばらく経ってからだった。
この時点で実際はかなりの数の人間が消息不明となっている。世界有数の人口を誇る国にとっての“かなり”というのは日本人口の数倍に及び、日本という国に住む者にとって想像もできないほどの数となる。
『御影さん、大陸の国どうなっちゃうんでしょうね』
通話口の向こうで玖内が聞いてくる。しかしどうなるといっても……
「ダンジョン化しても平気と言えば平気かもしれないしな」
地上のダンジョン化、日本にあるマグナ・ダンジョンと呼ばれる地帯が一例目とされていて、その地帯にはダンジョン内と同じくモンスターが出現する。そしてその地帯内ではモンスターによって平穏な生活を得る事はほぼ不可能に近い。しかしそれは実際に人が”住んでみたことがない”から、かもしれない。
『ネットに書き込みはあるんですけどね、すぐに消されてるんですよね。これきっとアレですよ、共産党の検閲機関の仕業ですよ』
「だろうなー。ってもよくそんなの見れるよな。エアリスでも書き込まれてたことを復元して見つけたみたいだぞ」
いくら趣味がハッキングとは言え書き込まれてすぐに消されるようなものを見つけるのは普通できないだろう。張り付いている間に見つけられるとは限らないし、そもそも普通に目に付くところに情報があるとは限らない。しかし玖内はそれを知っている。思っていた以上に腕がいいのかもしれない。
玖内は「復元なんて僕らにはできないですけど、そこは数で勝負なんですよ。情報持ってそうな人の目星は付けてますし」と誇らしげだ。数で勝負という部分に引っ掛かりを覚え聞いてみることにする。
「なぁ玖内。何人でやってんのそれ」
『えっと……ダンジョンができる前は三人だったんですけど、今じゃ一気に増えて八十五人になりました! ダンジョンが出来てから世界中に仲間が増えた感じですかね』
急に増えすぎぃぃ! そして意外にも国際派ー! 人見知りな玖内はどこにいったんだよぉおお!
ともかく、そういうことを始めた人が増えたのか、同じようなことをしていた人と繋がりを持ったのかはわからないが、とにかく凄いな。とは言え数が増えたから安全安心というわけではなく、むしろ足がつきやすいリスクが高まったとも言えるだろう。
「あんまり危ないところに首突っ込むなよ?」
『あっ……そうですよね、御影さんたちに迷惑掛かっちゃいますね』
「そっちは問題ないんだけどな」
玖内は勘違いしているようだがこちらは問題ない。エアリスがこっそりと玖内がまずい状況になりそうな場合を想定してネット上に条件付きで動作するデコイを複数用意しているらしいし。玖内はそういったことは知らないけどな。しかしだからと言って自分から覗きに行って実は逆に覗かれていたなんてことがあっては困るだろうしな。注意くらいはしておかないと。
ーー ご主人様、そもそも考え方に多くの人類との差異を感じますが ーー
たしかに、言われてみればそうかもしれない。普通に考えてここはそういうこと自体をやめるように言うべきところか。しかしそれを気付かされる相手が非常識な存在であるエアリスというのはなんだか非常に不服だなぁ。
「まぁとにかく、普通の人が言うセリフじゃないかもしれないけど、そういうのはほどほどにな」
『はい! じゃあまた何か見つけたら知らせますね!』
止める気はさらさらない玖内との通話を切るとエアリスが『なかなか使えますね』と言う。エアリスにとっては実際に褒め言葉なのだろう。
そういえば玖内、ケモミミ団の女の子とはうまくいっているんだろうか。たしか兄妹でケモミミ団にいてそのどちらも幼馴染と言っていたか。
「幼馴染と両思いとかなー」
ーー 羨ましいのですか? ーー
「俺にはそういうのがなかったからな」
ーー ワタシ、生まれてまだ一年と少々ですので、幼いのです。そのワタシからするご主人様は幼馴染と言っても過言ではないかと。よってワタシであればそれを叶えることができるかと。いかがですか? ーー
「あー、そっすね」
ーー 幼馴染の相手からある日突然そのように辛辣な態度を取られ、心がざわめき、何かに目覚めたようになるのですね。端的に言えば、ゾクゾクします ーー
「それ何度も聞いてる気がする」
ーー たしかに何度も言っていますね。ですが何度でもゾクゾクしますので。よろしくお願いします ーー
一体なんの宣言でなにをお願いされているのだろうか。わからないがエアリスは元からこんなだし気にしないでおこう。
ところで俺にとっては幼馴染ではない件については触れない方が良いだろうか……良いだろうな。エアリスにとって俺が幼馴染だと言って喜んでいるようだし、態々それを否定するのもなんだかかわいそうだ。
「そんな事より」
ーー そんなこと!? ーー
「うん、そんな事よりダンジョン化について。あと菲菲がお仕事に来ない件について」
そう、菲菲が喫茶・ゆーとぴあの夜警バイトに来ないのだ。
実のところエアリスが地上のダンジョン化が深刻な事に気付いたのはそのタイミングとほぼ同時。当時のエアリスは『ついうっかり油断していました』と言っていた。
異変について、偵察衛星を所有している国はそれを公にするのを嫌がり情報を流さなかった。そこには大人の事情というか、高度な政治的判断とか国防上のアレコレとかそういうものがあったのだろう。そして周辺国にとっては最近になって異変が表面化しているようだ。中には財政が傾く国も多数あり、日和見をしている場合ではなくなっている。
それから更に一月の後世界に向けて、大陸の国からではなくその他各国からの共同声明が発表された。
それによれば大陸の国、その国土の半分以上がダンジョン化しているようだ。ダンジョン化していると思われる地域は衛星写真によって黒っぽい何かに覆われていることがわかっていて、その地続きの周辺国にもそれが及び、さらに拡がるのではと危惧されている。日本と大陸の国の間にある海を挟んだ場所にある半島の国もまた、その影響によりほぼ壊滅してしまったようだ。
その間俺は何をしていたか? そりゃダンジョンを満喫し、他にもいろいろありました。なぜかと言えば俺の仮の姿であるペルソナは魔王との戦いで実は大怪我をしていたという事にされ、しばらく人前に出ないようにと総理にも言われていたからだ。国からはペルソナへ依頼に対する報酬が支払われたが、野党議員の猛烈な抗議により予定していた額より大幅に減らされてしまった。怒り心頭に発したエアリスだったが、その怒りぶりは少なからず憤りを覚えていた俺を冷静にさせてくれた。自分よりも怒っている人を見ると冷静になれるという現象だな。
ペルソナとして表に出ないようにというのは、どこから言われ始めたのかペルソナを“調停者”などと呼ぶ人々が爆発的に増えたというのがその理由と聞かされた。日本国内だけならばまだいいが、世界中にその認識が広まってきているというのは少し問題があるらしい。祭り上げられて良いように利用されるのがオチな気がするし、正直助かった。
そのため宣誓依頼による収入はなかったのだが、その分MyTubeの動画に時間を充てる事ができた。あとは喫茶・ゆーとぴあが意外にも以前に増して繁盛している。それと命を賭して『世界に貢献した』と、よくわからない団体や親日の国からなぜか“見舞金“なども貰ってしまったためお金には困らなかった。あ、一応日本からも貰ったな。でも額は他に比べるとかなり少ない。まぁ日本ってそういう国だからな。
ともかく個人で持つには結構な大金を手に入れたわけだが、それをいい事にのんべえたちは毎日元気に酒盛りをしていて、しかし働いて欲しい時に働いてくれたこともありあまり強く言えてはいない。機会があればこき使ってやろうとは思っているけど。
それにしても、どうしてこうなったんだろうな。
そんな事を思っているとすぐ耳元から吐息と一緒に届いた声が現実に引き戻す。
「お父様、せっかく力があるのに慈悲を与えてあげないの?」
その時は部屋でアイテムを作っていた。耳元で話しかけてきたのは魔王だ。ですわ口調だったのはどうやら演技だったようで、ベータから『子供のように話すとナメられる』という偏った知識を教えられていたかららしい。それがないとは言わないが、ベータの知識はアテになるようでならない気がするな。ちなみにそのベータ、今は眠っている。
「だからお父様はやめてって」
「悠人……様?」
「それもなんだかむず痒いけどまぁいいや」
「やた! 悠人様悠人様〜!」
なんだか最初の頃の香織が浮かんでくるなぁ。案外似たもの同士なのかもしれない。あの時も思ったが、様付けはやっぱりなんていうか、違和感しかない。
「うーん。やっぱ“様”もなしで」
「じゃあ悠人ちゃん?」
それじゃあフェリシアみたいだ。そういえばフェリシア、なんだか魔王の一件以来大いなる意志っぽさがさらに減ったように思う。本人曰く『普通の女の子になります』らしい。よくわからないが『そっかそっか』と答えておいた。
「じゃあ……悠人さん?」
それは今の香織みたいだな。香織といえば近頃あまりこう……仲良くできていない。いや、喧嘩をしているとかそういう意味ではない。仲の良い行為をできていないということだ。それはなぜかと言えば目の前で俺の呼び方を試行錯誤しているこの少女、エテメン・アンキの加速時間の中で累計一六年ほどの時間を過ごした魔王だ。見た目は人間基準で歳相応、しかし紫の髪色とそれに深みを足したような瞳の色を除けばと言ったところか。その人間離れした色は普段、普通の日本人と同等のものへと変化させているためあの時の魔王感はない。そしてこの少女がエテメン・アンキ地下に魔王城を作り終えてからというもの、四六時中俺につきまとっているのだ。香織は始めこそ微笑ましく見ているだけだったが、最近では夜もいるため何事も起こせない状態になっていることに少し不満を感じているようだった。
「あの女と一緒は嫌なのよ」
「香織ちゃんのこと嫌いなのか?」
「だってあの女は……ゆ、ゆゆ悠人さ…まのこここ恋人なのはわかっているの。でも……嫌なのよ」
やっぱりなんとなく似ている気がする。同族嫌悪に近いなにかがあるのだろうか? 思えば魔王の中身、魂とも言える存在はほんの少しの時間だが香織の腕輪の中にいた。それが影響してたり……まさかそれだけで似るはずないか。
「なぁ小夜」
「は、はひぃ!? なななんでしょか悠人しゃん!?」
小夜の両肩に手を添えて名前を呼ぶと、極度のあがり症の人みたいなリアクションをされた。
「えーっと……香織ちゃんは俺にとって大事な人なんだ。それで、できれば仲良くしてほしいな〜って」
「いやなのー!」
なのー! と両腕をぶんぶん振りながら拒絶を表す。わがままな妹を持つ兄というのはこういう気分だったのか。なんというか、かわいいんだけどちょっとうざいと言っていた妹持ちの旧友の気持ちが少し分かったかもしれない。
「でも悠人…しゃんが……悠人しゃんが、ち、ちゅーしてくれるなら考える……かもなの!」
はいはい、といつものようにおでこにチューしてあげる。我ながらキザっぽいだろう? だが俺にもこの二ヶ月、いろいろあったのだよ。そんな事も自然とやってのける俺に成長したのです。
考えてもみれば二ヶ月間もの間お父様と呼ばれていたんだが、それに関しては案外慣れていた。でもさすがに人前でもそう呼ばれたらと思うとなぁ。ともかく『しゃん』に決定っぽいな……個性的でいいんじゃないだろうか。知らんけど。
「ぬっふーん! あの女よりも先に進んだの!」
これもいつも通りだ。実際、香織のおでこにしたことはないかもしれない。まぁそれどころじゃないことはしてるけども。ちなみにそれは言ってない。態々言う事でもないしな、それに言ってしまったら後が怖い気がするし。
それはそうと小夜の質問に答えることにしよう。
「さっきの質問の答えだけど、俺思ったんだよ。たしかに小夜みたいな、近代兵器よりも兵器みたいなのを相手にチャンバラができるってのは“力がある”って言えることなんだと思う。だけど力があるから義務が〜、とかそういうのはなんかな……」
「ノブレスオブリージュ、無いなの?」
「あるかないかで言えば、有るし無い」
エアリスと小夜からツッコミが入るがそれは無視する。
「手の届く範囲とか、そうしたい時にだけそうするってことだ。俺は兵隊でも貴族でもなくて、そもそも気質があくまで一般人なんだよ。日本人全員とか、人類全員とか、地球をとかはなぁ……いや、地球がってなったらさすがにまずいだろうし、できることがあるならするけど」
「最強の、孤高の一般人なのね」
「どうなんだろうな。ダンジョンの俺が知らないところに通ってる人だっているらしいし。それにな、ノブレスオブリージュっていうのは俺みたいな一般人がやることじゃないんだよ。社会に対して責任の大きな、統治する側の心構えみたいなものだからな」
「すごいのね、物知りなの」
すごくもないんだけど、小夜は実際の人類に関してあまり知らないだろうからそう感じるのかもしれない。
あっ、そうそう。魔王の名前、“小夜(さや)”になりました。それにはちょっとした理由があって。
小夜がエテメン・アンキのモンスターたちに手伝わせ魔王城を完成させた数日後、学校に行ってみたいと突然言い出したのだ。しかし戸籍なんてないしどうしたものかと困るわけで。しかしこの子にはそれなりに社会勉強というか、人間的な常識を学んでもらった方がいいんじゃないかと思ってもいた。それで香織ちゃんに相談したところ、三浦家の人間という事にすればと言ってくれた。歳の離れた妹で通せると言っていたが、当の本人がすごく嫌そうな顔で拒否していた。
次に俺は両親に相談した。両親には魔王である事は伏せている。自ら髪や目の色も日本人にありがちな普通の色合いに変えていたため、両親はこの少女がお茶の間に流れた映像の中で猛威を振るった魔王だとは全く気付いていなかった。本人は隠す必要はないと言っていたが、一応そこは隠した方が良いと判断しそれっぽい話をした。
「そういうわけで、ちょっと訳ありな子っていうか…」
「あらまぁ! 訳ありってフェリちゃんみたいな子っていうこと?」
「そうそう、って母さん、フェリになんか聞いたの?」
「ダンジョンで生まれたのよね? でも大丈夫よ、母さんこれでも忘れるのは得意だから!」
秘密を守るとか隠すと言わないあたり、母さんはどこかずれている。しかも忘れるのが得意と言う割にフェリシアがダンジョンで生まれたという事を覚えているじゃないか。さらに言えばそんな意味不明な存在に対して、簡単に受け入れすぎているような。とはいえそれは俺も言えた事じゃないしな……まぁ大丈夫かなと思う事にした。
「それじゃああなたのお名前は?」
「なまえ? ないなの」
「悠人、フェリちゃんには名前つけてあげたのにこの子にはないの? ダメじゃない!」
そういう機会に恵まれなかったというか、魔王魔王言ってたせいでもうそれでいいかなとか思ってた部分があることも否定はできない。でもま実際あった方がよかったよな。
しばらく考えた母さんの口からさも決定事項というような自信ありげな口調で告げられたのが“小夜“だった。
「小夜……わたしの名前なの?」
「そうよ、あなたは小夜よ、御影小夜」
「御影小夜……わたし、御影小夜なの!」
本人も気に言ったようだしいいんじゃないだろうか。それにしてもなんでその名前なのかと母さんに問うと、女の子が産まれたらその名前にすると決めていたらしい。
それから魔王……小夜は俺の母さんの強い、それはもうとても強い要望で地上の御影家で基本的に生活するようになり、学校は近くの共学の高校に一年生として編入という形を取った。それに関しても、エアリスがさくっとお仕事をしたらしい。
御影家で生活しているのになぜ俺に付き纏っているのか。
学校に行き、休み時間の度にこちらにやってくる。そして放課後は両親との団欒(だんらん)の時間以外はこちらにまた来る、という感じだ。その団欒をしているだろう時も一時間置きくらいにこちらに来るため、俺と香織はそういう雰囲気になってもなかなか難しくさらに当然のように寝る時間も俺の部屋にいるため、いろいろと大変なのだ。
それにこんなに抜け出して来ていては休み時間に友達と話すなんてこともしていないのでは? お兄ちゃん心配です。
そして現在。
「悠人っ君、意外に色々大変なのね〜?」
「そうなんですよ。だから皆さんもほどほどでお願いしますね」
飲んだくれの四人は一瞬静かになったが「またまた〜」「冗談ばっかり〜」などと言ってまた飲み出した。スタッフに上限額を設定してくれるよう、悠里から言ってもらおうと思っていると天照がこんな事を言い出した。
「悠人っ君、ジジイとクソ鳥とは契約してるのよね〜?」
「契約……ですか?」
「そうそう、喚び出せるのよねん?」
「あー、まぁ、はい。本人たちの了承はもらってないんですけどね」
「アタシともぉ〜、ケ・イ・ヤ・ク、シテみるぅ〜?」
つまり都合良く喚び出して良い、という事だよな。龍神と嵐神は無断でエアリスがそうしてしまったので相手のご機嫌次第のところもあるけど、天照はそれとは違うみたいだ。とは言え酒を飲むためなら人間に使われても良いなんて……大丈夫なのか? 仮にも神様を自称してるんだろうに。
「悠人よぉ、天照様はナァ、お前さんに惚れ込んでるんだぜぇ……ヒック」
「へ? 意味がわかんないんだけど」
「わからんかぁ……だがそんな事は些事だ些事。ところで悠人よォ、俺ァお前さんになら喚び出されても良いと思ってんだよ」
それって酒呑も喚び出して良いって事か。まぁこいつはわかる、酒が命みたいだしな。酒のためなら人間に使われようと構わないって思ってそうだし。実際魔王の件では酒の力で手伝ってもらった実績もあるしな。あ、でもそれは天照も同じか。結局この人たちが神だろうとそうでなかろうと、酒が好き、これに尽きるんだろうな。
「じゃあ二人ともお願いしようかな」
という事でこれまでも呼び出す事ができた龍神と嵐神に加え、天照、酒呑のエッセンスを譲渡された事によって召喚が可能となった。いつもより上機嫌に飲んでいる二人の維持費は大変そうだが、どこかで役に立つかもしれないと思う事にしたのだった。
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