陽菜はずっと学校でイジメにあっていた。真陽がそれに気付いたのは陽菜が小学四年生の時だった。


それまでの間陽菜は同級生の女の子全てから仲間はずれというイジメにあっていたのだった。



真陽は「もう学校なんて行かなくていいよ」そう陽菜に言った。

陽菜はそれがたったひとつの救いだったと、今も話してくれる。そしてもっと早く言えばよかった、とも。


聞けば始まりは小学二年生の頃からだという。陽菜が休み時間に「遊ぼう?」と声をかけた女子がみんな「今日はムリ!」それだけ言って他の子と行ってしまう。そんな日がずっと続いていた。


陽菜がひとりで教室で本を読もうとすると、先生に追い出されてしまう。仕方なくあてもない校庭をひとりでとぼとぼ時間が来るまで歩いていたと聞いた時の、真陽の怒りと悲しみが解るだろうか?


学校ごと爆破してやりたかった。


すぐさま学校に電話して誰がイジメの主犯で誰が関わっているのか、調べてその子供と親を呼び出せ、そう言った。

けれど教師の返事は「イジメの事実はありません」


無能な教師に心底はらわた煮えくり返った。


もういい。

学校なんか行かなくたって死にはしない。

それよりこのままでは陽菜の心が壊れてしまう・・・・。


が、時すでに遅し。

陽菜の心には大きな亀裂が入ってしまい、対人恐怖症にまでなってしまった。

せめて中学校は違う学校に通えばまた違う出会いもあるかも知れないと、学区を変えて誰も知ってる子のいない中学校に転校した。


ここでもやっぱり陽菜はイジメのターゲットになってしまった。

いじめられる子には何かしるしでも付いてるんですか?


確かに陽菜は小学生の時のイジメのトラウマで、他人とのコミュニケーションを取るために大切な会話が出来ない。

それは陽菜が悪いわけじゃないと思う。

そしてその事をバカにする子達の方が人としてどうかと思う。今の子に絶対的に欠けているものは、相手への思いやりと、自分の意見。


流されないで自分の意志を持とうよ?可笑しいよ見てると必死に誰かに合わせてる。そんなに孤立するのが怖い?でもイジメるのは怖くないんだよね。


親友ヅラして影でコソコソ糸引いて、大人が気付かないと思ってる?そんなのまる見えだよ?痛々しいよ。


こういう狡猾なヤツはいずれ自分がイジメられる側に回る。間違いない。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

慟哭 神崎真紅©️ @blackspot163

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ