大団円[無季]

 重なりし

 大団円の

 拍手の音

 鉄格子越しの

 牢屋に響く


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 また物騒な歌です。牢屋だの鉄格子だのが頻出な私の作品は中々ヤバイですね。(他人事)安心して下さい。この歌は物理的な物ではなくてイメージで問題ないですよ!まあ、作者はガチの牢屋を想像していますけど(安心とはー?)寧ろ、いつもは物理的な牢屋なんだと思い知りました。物騒。

 前半は平和です。イメージは物語がハッピーエンドにたどり着いたシーンです。登場人物が「やったー!」と喜んでいる場面を想像して頂けるとありがたいです。平和なシーンを目指したので特に奇をてらってはいません。

 後半は打って変わって牢屋です。牢屋好きなんですか?と聞かれたら多分、好きですと答えざるを得ないくらいにはよく使ってますね。囚われている、寂しげ、罪人などのイメージが好きなのですぐに牢屋を使ってしまいます。

 視点人物は牢屋の中から拍手している人達を見ています。鉄格子越しに。すなわち、この視点人物はこの大団円に加えてもらえていないという事です。辛い。自分で場面設定しているのですが、辛い。私はどうしてこうも登場人物を辛い状況に陥れてしまうのか。(好きだからです)

 どうせ届かないのならば見えなければいいのに。手を伸ばせば届きそうで、でも決して届かない所に自分の望む物があるって結構地獄じみていると思うんですよ。なんで歌に地獄を織り込んでしまうのかと言われそうですが、地獄味のしない物は物足りないのです。地獄は、スパイス。(スパイス気分で塗す物ではない)美味しい、美味しい。


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Q.敗者の美学に近いものですか?

A.敗者の美学は(意識的には)好きではないのですが、恋愛系で振られたキャラに深く同情するタイプです。敢えて言うならハッピーエンドと思われる物語で、特に悪役でもないのに最後まで救われなかったキャラが好きです。

 多分、負けたという事実よりも敗北の先の人生の地獄味の方が好きです。敗者という烙印を背負って生きる覚悟が好きです。同列として罪人として生きる覚悟が好きです。長生きしてくれ。(地獄の旅路が長くなるから)死んだ後の地獄は観測できないので鑑賞者としては興味ないのですが、生きている間の地獄は観測できるので全体的に人間には生きていてほしいです。(物言いが悪魔か何かのようだ)

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