そうだ大型二輪免許を取りに行こう

第1話 状況の変化

 このエッセイが世に出ることがあるのか無いのか、これを書いてる時点ではまだ分かりません。(結果早々に出すことになりました(笑))

 メインは炊事のエッセイで、炊事は毎日のようにあるし、キッチンに立てたくなるまで続くものなので、エッセイを書く気力さえ失わなければ続いて行くと思いますが、このエッセイはおじさんライダーになれなければ、永遠に日の目を見ることはないでしょう。(いや諸事情により、先出し決定です)


 でも、もし、万が一、おじさんライダーになったときに、あのときどう思ってたんだっけ?とか、どう感じてたかを思い出せない場合もあるので、とりあえず綴ってみることにしました。したがって、今これを読んでいる人がいるというとは、めでたくおじさんライダーになれたってことです(笑)。


 僕は18歳で原動機付自転車(いわゆる原付)の免許を、20歳で中型自動二輪免許(いまでいう普通二輪車免許)を取得しました。

 時代もちょうどバイクブームで、専門学生のときには原付レースなんかも盛んで、試しに初めて出たレースで表彰台、人生で初めてトロフィーというものを頂きました。

 関連雑誌もいっぱい出ていて、その草レースの結果に名前も載っており、全国紙初掲載も体験しました。

 20歳で就職し東京での生活が始まりましたが、都内は自動車よりバイクの方が移動しやすかったので、とりあえず首都高に乗れるバイクの免許を取りに行き、すぐさま250ccのバイクを購入、原付のときとは比較にならないほど、行動範囲が広がりました。


 大都会の色んなものに馴染めなくて26歳のときバイクを手放し帰郷、再就職活動をする前に自動車の免許は取っておいた方が何かと便利だと思い、普通自動車免許を取得しそれ以降は自動車に乗ってました。まぁ北海道は雪も降りバイクには半年ほどしか乗れませんしね。

 その後、現在の妻と出会い東京ではバイク乗ってたんだと明かすと、危険だからとバイク禁止令が発令、このエッセイを書いている時点で55歳、ちょうどバイクを降りてから実に約30年の月日が流れたことになります。


 妻は身内でバイクで事故を起こした人がいるだとか、危険な目にあったとかは特になかったようですが、一般論的に”バイクは危険なもの”という認識から禁止令を発したそうです。

 時は流れ、今年で結婚25年の銀婚式を迎え、僕が社会人として仕事するのも、早くてあと5年、遅くても10年ということもあり、もし今バイクに乗って万が一事故で亡くなったとしても、子供もいない夫婦ですし妻の余生のことを考えても、僕の死亡保険金と古くなったけど支払いが終わっているマンションもありますし、まぁ何とかなるんじゃないかと思い(ご飯については不安ですが)、思い切って切り出してみました。


『昔はさ、僕が持っているバイクの免許の一番上のは、教習所では取れなくて免許試験場で本番一発試験だったんだけど、今は教習所で12時間(一回も延長が掛からなければ)で取れるらしいんだよ』

『ふ~ん』

『ほら、僕は背が大きいから、中型二輪のバイクに乗ってたときも、バイクが小型とか原付に見えるって言われてね、いつか限定解除試験を受けて体格に合った大型バイクに乗りたいって思ってたんだよね』

『それで?』

『そ、それでね、バイクを買えるかは別として、まずは免許が無ければ始まらないし、そもそも30年もバイクに乗ってなかったから、免許取れるかすら分からないんだけど、大型二輪の免許取ってみようかなって・・・』

『自分のお小遣いで取れるなら良いんじゃない』

(キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!)


 これは大きな進捗です!40代初めのころ、たまたま当時の部下のお兄さんがウチの近くの教習所で働いていて、口利きで大型二輪がちょっと安く取れるという機会があったとき、妻に内緒で仕事仲間数人と申し込みに行って、手付金1万円を払ったあと妻にバレ


『なんで大型バイクの免許がいるの?』

『い、いや、バイクに乗るって言うことじゃなくて、め、免許が欲しいと言うか・・・』

『バイクに乗らないなら、免許だって必要ないでしょ!』

『まぁ、その、そうですね・・・はい。』


 と、敢え無く失敗に終わった苦い経験が(笑)。


 そのときはちょうど、四輪車でのサーキット走行も卒業し、ソレ用の車も処分したときで、何か新しい刺激が欲しかったんだと思いますが、その数年後林道探検に目覚め、バイクのことは忘れかけてました。そもそも妻の猛反対がありましたからね(汗)。

 バイクで林道探検も面白そうだったんですが、なんといってもヒグマと遭遇とか考えると、ちょっと怖いかなと思ってたもので。

 しかし突然、僕にバイクの神が降りてくるのでした。

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