西暦2119年のナダ家(2)
その ' ネコ ' は、かの自称"ナレーター"の ' ネコ ' であるが、そのとき彼は仙人のような姿をしていた。暇つぶしに日本の平安時代に行っていたのである。そして、なぜか仙人のコスプレをしていたのであった。
タカキ、ヤスユキの兄弟2人にとっては仙人といえば『ネコ仙人』である。
というのは、この西暦2110年代くらいには小学生のときに"ヒストリー・エデュケーションプログラム"という歴史教育の一貫として過去の映像作品を見せられるのである。
この兄弟2人は、『
『神龍』は彼らにとって100年も前の作品であったが、100年前も今も少年達の心は変わらない。タカキ、ヤスユキの2人は『神龍』の主人公達の冒険に夢中になった。
ところで『ネコ仙人』は『神龍』の登場人物でスマートな功夫の達人である。
タカキ、ヤスユキも中学生になり、アニメーションと現実の区別くらいはつくようになっているのである。
目の前にいる ' ネコ仙人 ' はアニメーションの『ネコ仙人』と違い、デブ猫であったのだが、まあ現実はこんなものなのだろうと妙に納得したのであった。
念のため記しておくが、' ネコ ' は"仙人"でもなければ"スピリット"でもない。彼は ' 神 ' である。
「たしかわしは、
「はてさて、自分がいくつなのかまったくわからないのです。ただ、藤原忠平様が蔵人の少将であったころ
「大宅世継さんは190歳というから、わしは180歳ということになる。」とその ' ネコ仙人 ' は胸をはって言った。もちろん嘘である。仮にも全知全能の ' 神 ' である彼が180歳程度なわけはないのである。
タカキとヤスユキの兄弟は特に何の感情もなく、「へぇー」と言った。
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