…初め
満面の笑顔が近付いてくる……
「この間はおつかれ~」
「あの後、すぐ帰ったの?」
「ううん、ちょっと寄り道したぁ」
食堂の入り口で軽く会話を交わし、もう少し話していたかったけれど、お互い友達と一緒だったこともあって、すれ違う程度に別れた。
週末は学園祭だった。
何だかあっという間に終わった “行事” 。慌ただしかったな……と一瞬思い出したりしたけれど、すぐさまメニューに目を向ける。
ここ最近ダイエットしてたからな……
「どうしよっか……」と言っていた友人達はもう注文をし終え、
迷った挙げ句、普段あまり注文することの無いエビフライとクリームコロッケの定食を受け取り、席へ向かう。
「ごめん、遅くなって」
「じゃあ食べよう。いただきまーす」
「加世子がフライ系頼むのって珍しいよね?」
すかさず
彼女はよく見ている、他人の事をよく観察しているというか、そこに嫌みな感じは無いのだけれど、時々 おおっ って思う。
そういう所がいいと思うし、このメンバーのバランスというのだろうか……とても居心地が良くて好き。
わたし自身の役割はどんななのか自分ではよくわからないのだけれど。
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