後悔

宮乃森 戒音

第1話


今になって後悔してる

泣いても どうにもならないのに涙しか出てこない


あの時に戻って やり直したい…




ー後悔 1ー









「ねぇーお兄さん♪今日1日 私の事 買わない?」



いつもの場所で、毎日お決まりのセリフ 




見た目OK

病気なさそう





ヤりたいだけのバカな男達

ただ そんな事を飽きもせず繰り返す私のが余程バカだし滑稽だ



家に帰っても待ってるのは少しのお金とメモ程度の置き手紙





ママもパパも仕事とか言って愛人と戯れてる


どうせ帰って来ても私が居ないことすら気付かない

私の居場所なんて何処にもない







『ねぇ………さっきから こんな所で何してるの?』



1人目の客を逃した時に、客としては狙えないくらいの綺麗なお兄さんに声をかけられた



「………………………」



何してるの?って公に言えるワケない

未成年だし



『…?もしかして…家出?』





家出じゃない…もっと たちが悪い


「………………………」




答えられずにいた




『……このままだと補導されるか拐われると思うけど?………行くとこないんでしょ?………拾ってあげようか(笑)?』





「…えっ…?」


『初めて口開いた(笑)!!…車だとすぐ近くだから、イヤじゃないなら付いてきなよ!!』





「………………………」




お兄さんの言う通り、後を付いていった








車に乗って走り出した時、この格好イイお兄さんも ただヤりたいだけの男達と一緒

お金もらえなくても寝る場所さえ確保出来るし、泊めてくれた礼に…なんて考えていた






着いた!と言って車を降ろされ、通されたのは綺麗なマンションの一室だった










『上がって適当に座っててね♪

………あっ!!そうだ!!名前言ってなかったね?俺の名前は 日咲 真琴。こう見えて23才!真琴でもマコでも好きに呼んでね。そんでもって君の名前は?』












今までの男達は行為さえ出来れば良かっただけで名前なんて聞かれたことなかった



正直 戸惑う






「………私…自分の名前嫌いだから…名前で呼ばれたくない…です……」




嘘じゃない

あんな親につけられた名前なんて大嫌い











『う~ん…じゃー君は…今日からミミちゃんにしよう♪ねっ!!ミミちゃん♪』








「……ミミ…?」





『そう!!可愛い名前でしょ♪』





「……まぁ……」





ワンちゃんと同レベルの名前って……









『……後…これは真剣な話!帰る所がないならミミちゃんが居たいだけ居てもイイけど ちゃんとお父さんやお母さんに連絡もして学校には行くこと!!』










「………何で学生だって知ってるんですか?」













『明らか未成年でしょ!!しかも俺…子供には反応しないからっ(笑)!!

………って未成年にする話じゃないね!!(笑)冗談はおいといて…ちゃんと約束は守ること!!わかった?』










案外 しっかり見られてたことに驚いた



「………はい…真琴さん…」







『約束を破ったら追い出すからね!!

それと、やっぱり真琴さんじゃ堅すぎるからマコでイイよ♪』





「分かりました!!ありがとうございます!!」





『………だからタメ語でイイって(笑)!!』

















最初は ただヤりたいだけで家に連れてこられたと思ってた







でも少し話しただけでマコが 今までの男達と違うって分かる


この日 私は初めて自分の居場所を見つけられた気がした









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