第55話 少し先の未来と中年


 異次元ハウスの集会所(遊び場)をアンコに念話して会議出来るようにしてもらい。

 俺、美羽、賢人、ボブ、モッチー、ノセ(瀕死)、と何故かお父さんとアンコとマロン。


「んじゃ俺からな、北海道ダンジョン制覇しました!」

 とみんな声も出せないくらいビックリしてる。


「まぁ制覇と言うか、あのダンジョンは残します」

 と詳しく説明する。


「へぇ、初期ダンジョンってことは増える?」

 モッチーは話がわかるねー。


「それも聞いといた、魔素はまだ流れが止まってない。

 魔素を地球が吸収しきれなくて、排出する為にダンジョン作ってるみたいだ。

 だから増えるよ」


「なのに北海道ダンジョンは残してきたの?」

 美羽の言う事ももっともですが。


「守護者のボスが無害なのに、魔素を排出するダンジョン消す理由がないし」


「それもそっか、でも北海道で30層でしょ? あとからできた東京と宮城は?」


「それはしらん、日本って小さいから今は3つで済んでるけど海外はもっとあるだろ」


 みんな黙る。


「海外行く?」

 ボブは話が飛ぶね。


「まだいいっしょ! まず住んでるとこからやらないと」

 賢人はまともに考えてるな。


「だよね、て訳で次は宮城だな」


「兄ちゃん、今日は二十五層で終わったけど明日は?」


「訓練してレベル上がったんだろ? なら目標35でいいんじゃない?」


「だね、今日の成果を見せないとな」

 とモッチーはやる気だ。


「明日うごけるかなぁぁ」

 と全身筋肉痛のノセ、アンコに突かれてビクビクしてる。

 幸せそうだからいいけど。


「とゆう訳で、明日も早いから今日は解散!」


 とここでお父さんが、

「俺からもいいか?」


「はい、どうぞ」


「俺らもレベルっつーのを上げた方がいいと思うんだが、どう思う?」


「それはいいと思いますが、ダンジョンでは……」

 危ないと思うんだが、


「アンコと話したが、元々アンコはダンジョンコアなんだろ? 練習用のダンジョンを作れないかなと思ってな」


 おぉ、

「できるかアンコ?」


「私がずっといる訳には行かないので、コアになるような核が必要です」


 核か、いままで溜めてた玉系を出して。


「これの中で使えるのはあるか?」


「それでは金剛玉を、これなら特殊なモンスターも出現しにくいですし、渡すMPを制限すれば安全に練習用ダンジョンが出来ると思います」


「経験値は?」


「あくまでモンスターなので倒していればレベルは上がります。

 練習用とはいえダンジョン構築なので多少時間は掛かりますが」


「わかった、んじゃそれはアンコに任せる。最初は弱いモンスターで頼むぞ、みんな使うと思うから」


「了解しました」


 頭を撫でてやって、

「じゃあ今度こそ解散で!4人は明日遅れないようにな」

 と第一回ハウス会議は終了した。


 突然だが、俺らは寝る時は家に戻る。


 何故かと言うと、電波が入らないのでスマホが使えない、テレビも見れないので情報が得られない。


 朝のコーヒーを飲みながらニュースを見るのは日課だ。

 あのミサイルで有名な国が、ダンジョンに核兵器をおとしたとニュースでやっている。


 結果周りは破壊、汚染されたがダンジョンは存在している。


 テレビでは【馬鹿なことをした】【だからあの国は】【一つ立証された】など色々言っているが、汚染されてもモンスターは生きていけるのか? もし生きていられるなら氾濫したら? など考えるべき事はあるだろうに。


 リンリンに電話すると、


『あー知ってる、馬鹿なことしたよね。低階層のモンスターは死んでるけど、適応しちゃうと人間には対抗出来ないかな? 間引き出来ないから中で増殖しちゃってスタンピードしちゃうよね』


「スタンピードってモンスターが外に?」

『そだよー! その辺一帯モンスターだらけだろうね。馬鹿は何やってんだろ? あ、くれぐれも行かないようにね、耐性もっててもあれ絶対じゃないから!』


「……打つ手なしか」


『馬鹿が今頃対応してると思うから、様子見といていいと思うよー! やばい、切るね』


ツー・ツー・ツー・


 まぁ様子見か、リンリンが大丈夫って言ってたし、


 でも日本はスタンピード? ってやつもなってないし、交通機関も大丈夫。

 上手くやってるよなぁ、いや宮城は氾濫してもおかしくなかったか。


『兄ちゃん起きてる〜?』


 時間か、

『今行くわ』


 今は宮城だな、30で終わればいいけど。


「うーっす、てかお前ら仕事は大丈夫なのか?」


「まだ始まってないけど、ボブと話しして辞めることにした」


「なんで? 仕事あったほうが後々いいだろ?」


「いまどこも対応出来てないし、冒険者である程度モンスターに対抗できる人材の方が求人多いよ?」

 と求人情報誌を渡してくる。


「俺のとこは下請けだからいいけど、ボブのとこは親会社に近いから迷ったみたいだけどね。

 どのみち、うちの工場も新しい技術が開発できないと潰れるでしょ。って事で仕事始まるまでは辞めないけど、始まったら辞めるから」


 んー、兄ちゃんとしてはちゃんとしたとこだから辞めて欲しくないけど。


「俺らも考えてるから、またその時になったら変わるかもね」


「そっか、そうだな、早まった事だけはするなよ、でモッチーは?」


「とっくに辞めたよ」


 ん?

「なんで?」


「派遣だし、先が無いから」


「迷いは?」


「あるわけないでしょ」


 これで3人無職か、

「モッチー、寮じゃなかった?」


「とっくにこっちに移ってるけど」


「僕もそろそろ移る予定です」

 聞いてねぇぞ?


「テレビ、ネット、携帯はどーすんの?」


「見たい時にカズトさんとこ行くし」


 取り敢えず拳骨してこれからは先に言うように教育した。


「つか扉は?」


「持ってるよ、出来ればカズトさんとこに設置したい」

 もっかい拳骨を落とした。



「んじゃ宮城いくぞ、てかお前ら核攻撃のことも知らないだろ?」


「あぁ、賢人に聞いたよ、なんかするつもり?」


「様子見、ギルドが対応するっぽいから」


「ギルドすげぇね、なんでも対応すんじゃん」


「まー対応しないとスタンピードして、周辺の人達がヤバイだろうしな」

 


 宮城について俺が疲れてるからずんだ餅を食べに茶屋へ、


「あら、髪きってサッパリしたのね、とってもいい男よ、いつも来てくれてありがとねー」


「ここのは美味しいからですよ」

 とおばちゃんとのひととき、和むわー。


 ズンダパワーで今日もダンジョン!


 ギルドは寄らない!

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