第50話 二十層と中年


「しゃー二十層! ランクCあたりかな?」

 とやっと元気になった。


「沼? 水場? で凶暴と言ったら……ワニかな」


「ワニかぁ、あり得るねー」


「失礼しまーーーーす!」

 ちゃっちゃと扉を開く。


「「「「えぇー!」」」」

 と、その中にいたのは、蛇?


ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・

クロコダイル・ワーム ランクC

レベル70

水辺に生息する、身体はワームの様に手足が無いが、頭はワニの様に強靭な顎を持つ、身体も硬い外皮を持ち土などに潜り敵を捕獲する。

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・


「クロコダイルワーム、ワニミミズだ! 潜るから気をつけろ!」


「あぁー、心の準備がぁ!」

 ボブはうるさいな。で、モッチーが、

「つかデカイ、アレでミミズって大蛇でしょ」


 敵は待ってくれない。長い体躯で周りを吹き飛ばす!


「ノセ、俺の後ろにへばりつくなよ!」


「兄さん達は避けれるけど俺無理! いいじゃん盾持ってんだし!」


「ばっか! 全体は隠しきれないから俺は当たってるの! 痛いの!」

 とボブノセがコントを始めているが、


「操影縛!」

 と賢人が影を操り、モッチーが三本のサンダーランスを目に向かって放つ。が影を物ともせず地中に潜って行った。


「ボブノセ、そこから離れろ!」


「ウオォォォォ、オワァァァァアァァァ!?」


 少し遅かったようで、食われはしなかったが放り投げられた。


 賢人が2人を抱えて後ろに着地する。


「「惚れてまうやろー」」

 余裕ありそうだな。


「気ぃ抜きすぎだ馬鹿2人!」

「「へぶっ!」」

 と雑に投げ捨てる。


 だが厄介だな。あぶなけりゃ潜るし、マップ探知は俺と賢人しか持ってない。


「アイスジェイル」

 とワニの口元を氷で覆う。案の定口を開けられないみたいで、壊そうと叩きつけている。


「モッチーなんかあるか?」


「うーん、いまカズトさんがやったのは、ワニの口を開く力が弱いからだよね? それ以外だと、……思いつかないなぁ、まぁ力技しかなさそうじゃない?」


「だよなぁ、もう口の氷も壊れたみたいだし」


『ガアァァァ!』

 とまた薙ぎ払いをしてきて距離を取ると潜って行った。


「下で様子見てるみたいだな、アイツが出て来る所に行くわ!」

 と両刃の双刃槍を構えて、


「とうっ!」


『ガァァァアァァァ!』


 出て来ると同時に跳ぶ! ワニは食おうと口を開け迫ってくるが、


「必殺! つっかえ棒、槍だけど!」


 下顎に槍を突き刺し、待ってたモッチーがロックボールで上顎を押す。


『グゥウウゥゥ?!』

 双刃槍は両刃で返しも付いてるから口が開かないかもね?


 両手にミスリルソードをだして風の魔法を纏わせる、賢人も分身の術を使いタコ殴りタイムだ!



 と全員で動けないワニミミズをタコ殴り? 切り刻み、ようやく消えていった。


「デカイし硬いし何が正解だったかな?」


 足も無いしな、目も3つあったけど1つは土の中で使うんかな?


分からんなぁ。


「兄ちゃんなら斬れたんじゃない?」


「魔法剣でもミスリルソードが悲鳴上げてたよ。欠けなくて良かったわ」


「あ、でも口の中は柔らかかったんじゃないですか? 槍も刺さってましたし」


「それかなり無茶だよね、でも賢人の爆発クナイでやればなんとかなるかな?」


「よし、今度こんなんでてきたら賢人頼むぞ!」


「いや! 勝手に決めないでよ! みんなでやればいいじゃん!」



 クロコダイルワームを倒した俺たちはドロップと宝箱を開ける。

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・

クロコダイルワームの魔晶石

クロコダイルワームの外皮(極大)

クロコダイルワームの牙

土金玉

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・

 玉系なんに使うかな、結構溜まってきたけどアンコ達増やしてもなぁ。


ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・

宝箱

若返りの妙薬(1瓶で10歳若返る)

SPボール(中)×3

スキルスクロール(土潜)

金貨3枚

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・

 なっ! 今回の宝箱凄え豪華。


「若返りの薬は、お父さん達の為に貰うぞ」


「それはいいよ、つかスキルスクロールって、カズトさんが解析して土潜なんでしょ?」


「書いてあるしな、取得出来るってかいてあるから適正とか、関係ないだろ」


「んでも土潜かぁ、微妙な」


「でも、SPボールもだし今回大当たりっすねー」

 鑑定は後でこの4人で相談だな。


「んじゃ二十一層見て帰るか!」


 二十一層は草原、もう雪とかやだし、よかった。


 ほっとしたので少し探索、


「兄ちゃん、実がなってるよ」


ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・

ラインジ

魔力を含んだ果物、糖分が高く少し酸味がある、食用?

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・


「食用らしいぞ、ラインジって名前だってさ、」


 賢人が1つ取って食ってみる。

「ぺっ!ぺっ!皮は食べれないね。身はオレンジより甘くて美味いよ」


 皮ごと食べるのは賢人くらいだよ。


「ボブ! ほいっ!」

ラインジをボブに放ると、キャッチして、


「賢人なにこれ? 食えんの?」


「めっちゃ甘い」


「まじで? ぺっ! ぺっ!」

 お前もかボブ……ノセもでした。


 あと、こんなにのんびりしてるのは、ここが家畜層だから。


 数は少ないが1匹がデカイ、胴体が長い黒豚、逃げ足が速いから2匹で今日はやめといた。


 さーて帰るかな……

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