第37話 閑話 モッチー先生と助手のノセ君

 ノセの秘密の地下室(カズトは知ってる)


「モッチー先生、今日はいよいよ……」


「ノセくん、これには夢と希望が詰まっている」

 テーブルの上にある物体を2人で見つめる。


「だがしかし、あと1つ足りない! 美羽氏のネットを使えば、買えないこともないのだ。

 だがしかし、あの暴君カズト氏が、我ら市民に圧政を敷いている!」

 (ただ、金を無駄に使わないようにしているだけ)


「なんてことだ!」


「彼には分からないのだよ、男のロマンが」


 男(二人のマニア)のロマン。


 彼らが作っているのは日曜の朝のアニメ、純情乙女・ラブリーキューティクル少女クララの衣装(アンコ用)


 クララが使う、ラブリーキューティクルスティック。

 本体は完成したが、本物を目指す彼らは必殺技まで完成させようとしている。


 足りないのは晶石(ピンク)。

 ダンジョンで探すが見つからず、カズト氏に頼み込み、持っている晶石を、全て確認させてもらったがピンクは無かった。


 だが美羽氏にネットで検索してもらったらあった!

 土下座して頼んだが、高額すぎてカズトに聞かないと手が出ないと断られた。


 カズト氏に一度目は、非人道的叩頭懇願二人の渾身の土下座で頼み込んだが、

 頬を叩かれ。


 「目を覚ませ、クズが!」


 と非常に非情な何故必要なのかを言葉の暴力聞いた後の感想で、


 立っていられない程のダメージを受け、余儀なく撤退をしてしまった。

(頬を叩かれたダメージで逃げ帰った)


 だが、今回は違う!


「我等が作り上げた、PR動画を見て涙を流し『お前らの心意気、おら、胸がときめいたぞー』っと言ってくれるに違いない!」


「この【純情乙女・ラブリーキューティクル少女クララの必殺技を第一部、一話からギュギューっと1時間25分に纏めちゃいました】を見れば一撃ですよ!」

 

「では行くぞ! ノセ君!」

「はい! モッチー先生!」


 …………


「ダメだったな! ノセ君!」

「はい! モッチー先生!」


 だが我等は諦めない!

 本物のクララを拝み、愛でて、写真に納めるその日まで!




 だが男達は気付いていない。


 カズト、美羽に見つかったら(まだ見つかっていない)破壊される。


 賢人、ボブは笑い者にするだけして、ちくりに行く。


 最終関門はアンコが着てくれるかのか?



 男達は気付いていない、健闘を祈る!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る