晴れた海を見つめる鏡子さんへ、想いを寄せる新米作家さん。ただ鏡子さんは『偉い方』のお妾さんでした。短くとも、先生の心情変化の偏差が鮮やかでした。潮騒に跳ね返る陽の光に照らされた想いは、どこへ向かうやら──。大正時代の若く儚い物語、少し覗いていかれませんか。