町田志保の初日
魔術学園へ入園申請を終え、町田志保は首都であるアセアスを散策していた。
立ち並ぶ、古風な印象を受ける造りの魔道具屋や触媒店を、わからないなりに楽しんで眺め、時たま気まぐれに店内へと足を踏み入れる。
シホが最も興味を惹かれたのは、調合魔術によって精製されたポーションの美しさだった。
効果ごとに色合いが異なっており、それは着色料などではなく素材本来の色だという。
シホは、それらポーションの色鮮やかな輝きに魅せられたのだった。
ポーション店の主人に、精製について詳しい話を聞き、それらを作るには魔力付与の分野を学ぶ必要があると知ったシホは、それに関する講義について学園に予約を取った。
並行して、ポーション精製を専門としている術師や工房を訪ね、弟子入りを志願した。
その中で、助手を欲していた女性魔術師に師事することに成功した。
明日からは、学園での講義と師の教えで忙しくなるだろう。
今日見たポーション達のように、自身の異世界での生活が綺麗に輝いていることを願って、シホは眠りについた。
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