すべては空しき想像

こんなにも仇で返ってくるのなら、

他人になど何も使わず、自分のためにふかふかのベッドを作ればよかった。

お花を飾り付けて、古いものも取り替えて、高い窓から見下ろしていればよかった。


許さないからね 許さないからね

あんたの顔を貸してよ

雑巾にするから

お湯の中に叩きつけて髪をつかみ引っ張りあげて

床がキレイになるまでその顔でその髪で 拭いてもらうから


化粧くらいさせてあげるわ

すぐ落ちて逆に醜くなるけどね

結婚くらいゆるしてあげるわ

相手とは引き離すけどね

服くらい着せてあげるわ

継ぎ接ぎだらけにするけどね

働かせてあげるわ

稼いだものは取り上げるけどね


こんなに こんなに こんなに

憎んでも

現実にはなんにも起きていない

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る