第4話
部活動は、生徒会が管理していることに理由がある。
一つは、部の設立は廃部の審査と学校への報告。
もう一つは、入部員の管理である。
部員の数と、入部、退部の人の流れの把握、部の予算や備品の管理なども行っている。
甲葉は、生徒会会長代理の他に会計という仕事を行っている為、必然的に部活動に関して口を挟んでくるのである。
ある意味、一番実権を握っていると言っていい。
「え~と」
「どうしたの?早く出して」
「あのですね」
「入部したんだから、入部届あるでしょ。あれがないと正式な受理が出来ないのよ」
「実はですね・・・」
「ん?」
「ないんです・・・」
「無いって?紙が?」
「はい・・・」
「仕方ないわね、生徒会室からとってくるから。中里君お願い」
そう言って、書記の中里に入部届の紙を取りに行かせる。
「あ、いえ、そういうわけじゃ」
「どういう意味?」
苦笑する部員委一堂に、甲葉は不振に思い藤田に詰め寄る。
「まさか、彼が入部したのは嘘なの?」
「いや~、入部したのはしたんですけどね・・・」
「じゃ、何があるのよ」
「彼・・・体験と言うか、仮入部なんですよ」
「仮入部!?」
「はい・・・」
予定外の言葉に目を白黒させながら、庭山と藤田を見返し、
「じゃ、部員じゃないて事。彼?」
「そういう分けでは、無いんですけどね」
「そういう分けでもなんでも、仮なら入部してい無い事じゃない」
「いやね、まだ廃部勧告まで時間があるから、とりあえず仮にしておいて、時間をかけて正式入部してもらおうかと思って」
「呆れたわね・・・、池波君、話が違うじゃない」
中里と立ち去ろうかと思っていた池波だったが、甲葉に呼び止められて話の口買いに小首をかしが、
「おかしいな、岡安さんはちゃんと部員そろったといたのにな」
「もう、あの人はいい加減なんだから」
「でもまぁ、仮とはいえいずれ部員になるんだったら問題ないんじゃ」
池波の言葉に同調しながら相槌して、
「そうですよ。どうせ部員になるなら・・・ね庭山君?」
藤田の言葉に、一同の視線が庭山に集まり、ふりを振られ困惑しながらシド論泥になりながら、言葉必死に見繕うとする。
「え?あ、いやぁ・・・」
「いやぁ、じゃなくて。ほら」
「ま、仮入部でお願いしたんですけどね・・・」
「うん」
「どうしようかなと、思って」
現状の空気を読めないその言葉に、甲葉以外のみんなは面倒くさそうになりそうな予感に、憤りを感じため息が漏れる。
「庭山君だっけ?」
「はい」
「で、どうなの?入部するのしないの?」
「最初は、何となく入ってもいいかな~と、思ったんですけど」
「けど?」
「何か、みんな紙に文字書いているばかりで、面白そうに見えなくて」
その言葉に異議を唱えるかのように、4人は庭山に詰め寄り、そのうち新井は声を荒げ、
「おいおい、紙に文字っているだけじゃないだろう。それにあれは、キャラを作る上の大切な作業なんだから」
「そうだぞ、筋肉もちゃんと書いているじゃないか」
「その言い方は失礼だぞ、私は君のためにシナリオをだな」
「ひどい、一緒にキャラ作りしていた楽しいて言ってたじゃない」
「あ、ごめんなさい相馬さん。で、でも、ゲームをやると言っていて、全然始める気配がないんで、面白くないなて・・・」
「ゲーム・・・?」
甲葉のつぶやきに、4人はハタッと言い争いをやめその場で凍り付き、恐る恐る振り返ると満面の笑みを浮かべた甲葉がいた。
「へぇ~、ゲームやっているんだ」
普段とは違う笑みに、4人は恐怖した。
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