第2話

 次の日。

 生徒会長代理兼会計の甲葉は、副会長の池波、副会計の広田、書記の中里を連れ添って元祖美術部の扉を開ける。

 「おはよう、皆さん」

 「どうしたんです?お菊会長」

 「誰がお菊よ!それに、私は生徒会会長代理兼会計なのよ。そこ、間違えないで」

儀式に近い、藤田とのやり取りに、部員と生徒会の面々は苦笑した。

 「まぁ、いいわ。今日は、こんな事しに来た分けじゃないですし」

 「何です?」

 「あ、あのねぇ!」

藤田のとぼけた言葉の返しに、苛立ちを感じるものの、広田が肩をつかみ静止を促し、我に返り心を落ち着かせ自制すす。

 「オホン・・・」

咳払いをして元祖美術部員を見渡し、にっこりと微笑んで

 「昨日話した件、出来たかしら」

 「何が?」

 「な、何って・・・昨日通達したじゃない」

 「通達・・・、はて?」

 「惚けないで!。何時も何時もそうやって、惚けたふりをして誤魔化して」

 「そうは言っても、知らないもは知らないし・・・」

 「アンタね」

藤田と甲葉のやり取りを見ていた、新井は二人に割って入り、

 「どうも、うちの部長と、甲葉会長代理との話がかみ合っていないんだか」

 「いや、だから彼が惚けて・・・」

 「それに、昨日の話なんて聞いてないが。な?」

庭山、相馬、仁井田に確認するように新井が話を振ると、3人共うなずいて何の話をしているのか理解できてなかった。

 「変ね・・・」

池波の方を振り向くと、確認するべく彼を睨んで、

 「ちょっと、どういう事よ。話が違うじゃない」

 「変だな・・・、ちゃんと話しておいたのに」

 「でも、誰にも伝わっていないわよ」

 「いやぁ、岡安さんにちゃんと話したんですけどね」

 「・・・」

その言葉に一瞬空気が固まるが、沸々と怒りがこみあげ池波の胸ぐらを掴む。

 「あんたね、あの人に話してどうすんのよ!」

 「だって、あの人て元祖美術部の関係者じゃん」

 「関係者だって、此処の学生じゃないわよ!部外者よ!」

 「そうですけど、てっきり話していたのかと」

 「あの人が、そんな気の利いた事するとでも思って!」

 「多分・・・、しないと思う」

 「だったら、何で部員に直接話さなかったのよ!」

 「つい、面倒く・・・あっ!」

 「仮にも生徒会副会長でしょ!しっかりしなさいよ!」

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