Allow me!「まかせて!」

動詞allowは、試験でよく問われる〈allow+人+to+動詞の原形〉の形でおなじみかもしれません。「〈人〉に~させる、〈人〉に~することを許可する」という意味でよく登場します。


例)My mother allowed me to go there.「母は私にそこへ行かせてくれた」


また、allowは単に「~を許す、許可する」という意味の他動詞としても用いられます。


例)Smoking is not allowed here.「ここは禁煙です」



今回のテーマのAllow me.ですが、念頭においておきたいのは一つ目の〈allow+人+to+動詞の原形〉の用法です。

例えばこんな場面を想定してみましょう。



冒険の途中で一行は鍵のかかったドアに行く手を阻まれます。押しても引いてもびくともしない。けれどこのドアを抜けなければ先へは進めない。そんなとき、仲間の一人が前へ出てきて言うのです。


Allow me!


その仲間はどうにかして──力ずくで蹴破るのかもしれず、どんな鍵でも開けられる魔法の道具を持っているのかもしれませんが、とにかく──ドアを開けてしまいます。



さて、そんなときのAllow me.です。意味は字義通り「私にさせて」といった感じでしょうか。〈allow+人+to+動詞の原形〉の〈to+動詞の原形〉の部分が省略された命令文と考えることができます。


元気いっぱいのキャラクターだったら「まかせて!」、冷静で大人びたキャラクターだったら「ここは私が」なんて訳すとしっくりくるかもしれません。



それから、実はこのAllow me.というフレーズ、わりとフォーマルな場面でも使えるそうです。


何かがうまくできなくて困っている見知らぬ人──たとえば、飛行機の荷物棚に手が届かずバッグを載せるのに苦戦している人──に、Allow me.「私がいたしましょう/ちょっと貸してみてください」、と。

意外と使える、あるいは意外と出会う表現かもしれません。



Allow me.──颯爽と現れる救世主が口にするとかっこいいなあ……などと思ったのでした。

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わたしの英語手帖 蒼村 咲 @bluish_purple

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