#021 「お赤飯の話」

 島元さんのお家では、お母さんの得意料理であるチキンライスのことを慣習的に『お赤飯』と呼んでいました。


 ケチャップによる赤い色合いからの発想でしょうが、やはり一般的には特殊です。


 小さい頃は何も違和感を覚えなかった島元さんも、小学校に入る頃になると「うちの赤飯って何か違う」と思い始めてきました。だからある日、「うちのお赤飯と小豆の入ったお赤飯は、どっちが本物?」とご両親に尋ねてみたそうです。


「うちの赤飯が本物だ!!」


 堂々と断言したお父さんを見て、「そうなんだ」と思いました。


 ――中学生くらいまで信じていたといいます。

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