#009 「七夕の話」

 Aさん夫妻には、重い障害を抱えた息子さんが居られます。


 ある年の七夕の日、Aさんは息子さんに短冊を手渡し、「これに何でもいいから願い事を書いてごらん」と促しました。


 しかし、息子さんは七夕の趣旨を よく理解出来ていなかったようです。


 こんな文章を書きました。



「ぼくは おとーさんと おかーさんの いいこだよね」



 Aさんは 何故か涙が止まらなくなりました。

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