第109話12月15日ガンダムの偽物のポスターをもらった

俺は

やらなきゃいけないとかっていう言葉が嫌いで

これをやればいいんじゃんと嘯きながらやってきた

ところが最近はやらなきゃやらなきゃが多い

今日も朝起きて まず家事炊事を やらなきゃ

部屋の整備を しなきゃ

できれば写真を とらなきゃ

病院へ行くものを 揃えなきゃ

それから 仕事に行かなきゃ

って考えている俺がいる

なんだかすごく嫌で気が滅入るんだけど自然とやらなきゃやらなきゃと言っている

そういうやらなきゃの中で相変わらず体調が 不調

問題なのはね この体調不良を 改善する 時間が取れないということで

昨日のように ある程度気持ちが楽しくなるような 外での活動というのもあるのだけど

それはずっと 自分が動いていることで気が紛れている部分もあったり

一方でよりずっとうまくいくかなということを考えているため精神的にしんどかったり

当然物理的にも色んな準備のために動き回るから 日常よりも体力は使う

例えばまるまる1日に何もせずにじっとしているみたいな日があればいいのかなとも思うけれど

実際のところたった1日で回復するとは思えない

かといって まるまるか 1日 何もしないでいい日なんてあったところで

それはただただ 気持ちが病んでいく だろうなと思う

今でさえちょっと時間ができたなと思うとその瞬間瞬間を狙って いろんな記憶がよみがえる

こんなことをグダグダとしゃべっている今も なぜか

母とよく走った 隣町の風景がよみがえる

今はとても鮮明でそれがすごく苦しいのだけど いつかその風景を 思い出せなくなったら それもまた 気持ちが痛い

そういうものが多すぎると言えば多すぎる

本当に母と一緒にいろいろ活動することが多かったので この町は 隅から隅まで 母と 行動した記憶で埋まっていると言っても言い過ぎじゃない

どこに行っても何かしら 痕跡がある

今後新しい 痕跡を作って行けばいい なんて単純なんじゃないんだよね

新しい何か動きするということは

上書きするということは 母の痕跡を消していくということなので

それはまたそんなに苦しいこともないわけだよ

そんなもん母が帰ってきたらまた上書きしていけばいいじゃんと 簡単にはいかないんだよね

単純に自動車がなければ いけない場所もあるわけで

母が どれぐらい外を出歩けるのかと言う 問題もあるし

最近分かってきたんだけど 視点が定まらない んだな

抽象的な言い方になるけど

目にするもの目にするものまず 母との記憶があまりにも濃くて多い

夢に見るものもそうだし なんかの拍子で 思い出すちょっとした光景なんかもそう

過去を思えば 二度と戻らない光景がそこにあるし

未来を見れば 思い描いたものが手に入らない未来があるし

今日は見たくもないし


どこを見てりゃいいんだろうと思うよね

目をそらすことも辛い

まっすぐ見ることも辛い

辛いというのも最近思うんだけど 体力を持ってかれるよね

精神力も

たぶんそれってひっくるめて生命力なんだと思うんだ

だから最近異様に疲れて体が重いんだよ

で何が怖いってさ

もつのかって

俺が

ぶっ倒れる日が来るよね

それは肉体的になのか精神的になのかわかんない

けどさ

結構壊れてきてるから 気をつけなきゃいけねぇなとは思う

本当に何をどうすれば気をつけるになるんだろうかね

ご飯しっかり食べました

しっかり睡眠とりました

たってさ

体の重さは一向に改善されないし

そのまま毎日動き回らなきゃいけないのは現実だし

休むことができないのも現実だし

休もうと思った時にね

時間を作ろうとしても 母的には病院に来て欲しいと要求をしてくるし

精神的には何度も言ってる通り


ふと 突き刺すようにして いろんなことが浮かんでくる

未来は暗いしお金もない

さあどうすんだったってどうにもならんわなって言う

そんな中今日も今から肉体労働

身をやつしてくる

多少なりと 気が紛れる時間があればいいなと思うこともまた罪悪感 を引き起こすんだよな

なんだろう今 小学 3年生が2年生だった自分にいた 場所のこと思い出した

出たところのお店でガンダムの偽物のポスターをもらった

くじ引きで当たったんだ

それを持って 家に意気揚々と帰って 2階のベッドに はる

そんなイメージが一瞬で浮かぶ

もちろん家には母が待っている

そんなわけのわからん 攻撃を受けている

これは攻撃なのかね

癒しなのかね

それも分からない

母が生きている状態でこれなんだから

もしものことがあったらどうすんだろうなと思うよな

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