第79話11月26日ノーフィアーと叫んだ

ひと月ぶりに通常の一日

病院にいかず仕事だけ

家事をしたあと、支払いだの買い物だのに出る

早朝、手の力が入らなかった気がした

とても怖くて、空気が冷たい外をふらふらした

ジャンプを買ってウインナーや食パンを買って帰宅

納豆うどんを食べ、母の愛猫にご飯をあげ

今度病院にもっていく衣服をセットし

バイトに出る支度をする

歯磨きをしようと台所に立つと

不意に母が「もうそんな時間?」と顔を出す

ことはなく、幻聴に思わず顔を上げる

直後、頬がはちきれた

いくぞノーフィアーと叫んだ

のどがぎゃりぎゃりと痛かった

母もそう叫んでがんばってる

気が触れる直前なのかもしれない

ノーフィアーと叫ぶことで

踏みとどまっているのかもしれない

ノーフィアーだ

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