第24話うわーってなる

病室

今日は比較的和やかに談笑 とはいっても すぐに 悲観的な話にはなってしまう

動かない身体半分という現実が ある以上 何をどう話しても取り繕っても励ましても どうにもならない

リハビリ病院への入院も 少し ぐずり始めた

家に帰りたい気持ちはわかるしなにより早く帰ってもらいたいのは俺なんだけれどもこの状況で帰って リハビリが十分でなく 今後の生活がより苦しいことになってしまったら それこそ本末転倒

行けるところまで頑張るのであればリハビリ病院で 思いっきりリハビリする べき

話してる時にリハビリの時間 が来る

リハビリの先生が車椅子を持って やってくる 車椅子に移動することが非常に困難

その姿を見て やはりこの先の 様々な 辛苦 というものが目に浮かんでしまう

それでも明るくリハビリに向かう 母が 見れたことは こんな中でも本当に本当に 一抹 ながら 安堵

とまるで日常が多少なりと改善されたかのような 錯覚に囚われる瞬間もあるのだけれど 現実はそうではなくて その場その場の いやその場しのぎのその場しのぎの 笑いや話題でしかなく 過ぎてしまえば 母は一人病室 俺は 外で一人

我が事になるが やはり 世の中のいろいろ見てしまうのが辛い

街中を自転車で走るとすでに クリスマスソングが流れている

スーパーに行くと 中学生が職場体験をしている

ハロウィンも終わりそういう時期に入っている

ヨタヨタとしながらも 元気に歩く高齢のおばあちゃんを見ると やっぱり 悔しい

残念で仕方がない

腹が立つ

妬ましくて 泣き出したくなる

外だろうがなんだろうがお構いなしに ワンワンといきたくなる

どうしようもない暴力衝動にとらわれる

誰かをどうにかしての何かを壊したとしても何一つ変わらない

何も元には戻らない

そんなことは十分わかっているんだけれど うわーってなる

わーって

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