安西カナ

カナは学校が終わり、知子の家に向かう。

知子がマラソン大会の練習中に倒れ、早退したからだ。

知子の家は学校から自転車で15分のところにある。地図を便りに歩く。

少しすると目印のコンビニがある。

そこで何か手土産を持っていこうと、飲み物とお菓子を買う。

お釣りをもらい、コンビニを出る。

近くに川がある。

その川を渡りきったところに家がある。

表札を見てみると田中と記されている。

チャイムを押す。

「はーい、ちょっと待っててね」

インターホン越しに知子の声がした。

知子はカナを招き入れる。

中に入ると外観とは違い、少しキズだらけの内観だった。

「どうしたの、このキズ・・・」

カナは思わず聞いてしまう。

「猫飼ってた時にやられちゃったの」

知子は恥ずかしそうに言う。

猫かぁ・・・、それならわかる。

爪研ぎするもんなぁとマジマジと見ると悪いと思ってしまうが見てしまう。

両親は不在なのだろうか、少し暗い。

「お母さんたち、今買い物に行ってるの。ごめんね、おもてなしできなくて」

「いいの、いいの。それより大丈夫なの?」

知子は少し青白い顔をしている。

知子は笑って「大丈夫」と言う。

今日あったことを知子に話すと、嬉しそうに聞いてくれる知子。

夕方になり、暗くなり始めた。

帰ろうとすると、知子の両親が帰ってきた。父に送ってもらうといいって言っていたが、悪いと思い断った。

自転車で来たし、それよりも知子についていて欲しいと願った。

知子は川のところまで送ってくれる。

また月曜から元気に登校してくてくれる事を願って・・・。


カナは自分の家に着くと、部屋着に着替えた。

そのときに足元が少し痛かった。

いつの間にか怪我をしている。

いつ出来た傷なんだろう・・・。










  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る