仮名 井上さん

井上さんはこう愚痴のように話す。


僕自身の話である。

母は僕に執着してくる。

彼女といるとき、買い物しているとき、学校にいるときとか、色々と出てくる。

必ずと言っていいほど、電話やメールが半端ない。

『しつこいな、すぐ帰るよ』とメールをしても電話がひっきりなしだ。

そのせいで彼女とも上手くいかなくなった。

母のせいだとは言わないが、少しくらいは原因がありそうだ。

はぁ・・・なんとかならないかな。

そう思うと、母親がだんだん鬱陶しくなってきたそうだ・・・。


苛立ちを母親にぶつけるが、何も解決しない。


ある時、母親が病院に入院した。

過労と言われ、僕のせいだと思い、何も言えなくなってしまった僕は毎日看病に行く。


ある日、元カノから「やり直したい」と電話が来る。

僕は急いで彼女のもとへ行こうとしたとき、母親の声が聴こえた気がした。

耳を澄ますが、何も聞こえてこない。

気のせいだろうと思い、彼女のもとに向かう。

彼女とデートをしてる最中、誰かの視線を感じて振り向くと母親がいる。

「何でだよ、何でいるんだよ!?」

血だらけの母親が立っている。

だって母親の飲み物には睡眠薬入れたのに・・・。


井上さんの母親は目を覚まし、朦朧としてるなか階段から落ちてしまったらしい。












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