No.100 動け、ヒダリマワリに
地球。
そこにある、とある村。
その村で生まれた女の子のお話だ。
「なんて醜い」
その女の子を見た親は口を揃えて言う。
顔は酷くひしゃげ(歪んで)て、見るに堪えない姿をしていた。
その晩、親は女の子を村から少し離れた洞穴に置いてきた。
――――オギャア
女の子は泣き叫ぶが親は来ない。
代わりに近づいてくるのは肉食獣くらいな物。
女の子は本能的に危険を察知したのか、泣き止んで静かに洞穴の天井を見て過ごした。
1日が過ぎた。
生まれて間もない女の子は栄養も摂れずに衰弱するばかり。
泣く気力すら起きないほど。
1日が過ぎた。
女の子は生死の境をさ迷っている。
ただ、運が味方したのか、神が味方してくれたのかわからないが、1つの雫が、怪我をした蝙蝠の血がその女の子の口元に落ちた。
その蝙蝠はたまたまこの世に降りてきた神の使徒だった。
「あぅ?」
女の子の喉の渇きは癒えて、空腹は収まる。
そして、女の子は蝙蝠の血に魅せられてしまった。
「あぅあきゃっ!」
手を伸ばしても届く距離じゃない。
蝙蝠は天井に張り付いて傷を癒し始める。
女の子はさせるべきてはない、と思ったのか石ころを投げる。
普通なら石は地面に叩きつけられる。
が、女の子は神の力を1部でも取り込んだ身。
石は綺麗な放物線を描いて見事、蝙蝠に当たり女の子の目の前に落ちてくる。
それを手で掴み、千切っては口の中に、千切っては口の中にを繰り返し神の使徒である蝙蝠を余すこと無く完食した。
「――――ぁ」
女の子の身体は最適な形へと進化を遂げて、綺麗な女性へとなる。
それから500年の間、洞穴で過ごしやって来た動物を狩っては食い、人がやって来ては四肢を引きちぎり余すこと無く食べた。
更に100年も経てば人を捕らえて言葉を覚え、読み書きを覚える。
更に時が経てば、洞穴に悪魔がいると狩に人がたくさんやって来る。
それも、奇襲を目的としている為、真夜中に。
「皆の者、かかれ!」
ナマクラの剣や、弓矢を使っての攻撃を仕掛けるも、女の前には意味をなさない。
「風よ、火よ」
そう口にするだけで、弓矢は風に煽られ人々の身体は炎に包まれる。
それは魔女のように。
または、
「か、神だ。私たちは神に攻撃を。お許しください」
その破格な力は神に身間違うほど。
その美貌は神に身間違うほどだった。
ある時は風邪を凄腕の医者として治し、またある時は魔女狩りの標的として追われる始末。
またとある時は金銀財宝を取り扱うお店を営み、多額の資金を得た。
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