宝玉の吸血鬼。~人間を辞めきれない大罪人~
ホタル。
序章 始まり編
No.000 始まりのセカイ
僕が生まれる15年前の2020年秋。
その日世界は大きく動いたそうだ。
太陽は紫色に輝きだし、大陸のほとんどは消滅。
残った大陸は日本とハワイ、それからマダガスカル。
なぜマダガスカルが残ったのかはわからないが、確認されてるだけでもそれだけ。
日本はその年、『オリンピック』と呼ばれるスポーツの祭典があって、地球に住まう様々な人種が日本に来てたから残ったのではないか、と言われている。
ハワイは知らん。
そして新たに大陸が6つほど。
1つ、よくお
2つ、これもよくお伽噺やゲームなどで出てくるドワーフ、の大陸、『エクスターチ』。
3つ、人が住んでいて、ユーラシア大陸があった場所に出てきた大陸、『ユリエーエ』。
4つ、獣の耳や尻尾のついてる獣人と呼ばれる者が住む大陸、『ギャン』。
5つ、神の成り代わりとしてここに来た(という頭のおかしな)人? 天神族の住む大陸、『サルバン』。
6つ、恐ろしい魔物や悪魔や鬼や妖怪や幽霊とか怖いものがたくさん出る、と噂されてる大陸、『ダルビス』。
以上の6つがこの地球に新たに出来た大きな大陸だ。
そして、日本やハワイ、その他の大陸にはダンジョンと呼ばれる例のアレだ、アレが色々な所に出現したのだ。
ただ、まだ誰一人として難関ダンジョン(各大陸に1つ)をクリアした人は、種族はいない。
えっ、なんでそんな事がわかるのかって?
それはどの種族とも平和条約を結んでいるからだ。
それじゃあ、言語はどうなのかって?
それも大丈夫。
紫色に輝き続けている太陽の影響なのか、統一(されているよう)に見えている。
だから問題はないのだ。
こんな事を説明している今、2035年08月のこの時。
「どうしてこうなった」
ついそんな言葉を呟く。
僕が好きだったアイドルのライブに行った時の帰り道の駅のホーム。
この駅はまだホームドアがついてなく、混んでいた。
そしてやっっっと来た電車。
そんな僕は、後ろから金髪碧眼の美女に押された(悪意はないと思う)。
いや、だって「どうしよう」って顔してたんだもん。
それにー、可愛かったからー。
『あれ? なかなか死なないな』
もしかしてアレは本当なのか。
死ぬ前に興奮してアドレナリンがブワァーってなって時間の進みが遅く感じるというアレは。
…………。
これはアレか?
このまま電車に轢かれて異世界にとか……いやいやいや、ここが現に異世界みたいじゃん。
…………。
多分だけど周りが止まってから体感では1時間くらい経過してる。
僕は浮いたままだし。
それに、よく見ると周りの人は驚いたようにこっちを見て制止しているが、その金髪碧眼の美女はオロオロとしていて、何か悩んでいる様子だ……?
『なんで動けるんだ?』
もしかしてあの金髪碧眼の美女は女神だったとか?
あっ、こっち向いた。
「ねぇ、君。
『吸血鬼? 吸血鬼ってあの吸血鬼かな? 日を浴びると灰になっちゃったり、永遠に老けない不老になったり、人間の……美女美少女の血を吸わないと生きていけないとかのアレか?』
「興味があるのかな? 反応ないからわかんない。でもこのままだと人殺しで吸血鬼狩りとか始まっちゃうんじゃ」
『おーい、おーい。ダメだ。僕の声は届いていないな』
「でもこのままだとなー?」
『アレ? 吸血鬼って老けないんだよね、この美女って可愛いけど
「ア゛ン゛。誰がおばさんだって? これでも2000年は生きとるは……いや、おばさんだな。いや、それよりも、だ。声が聞こえたからもう了承したって事でいっか」
『おいおい、何がいっかだよ。夜しか家を出られないとか辛いよ、普通に』
「
金髪碧眼の美女、ことドリー・ネグリューはファンタジーとかでよく見る魔法を使った。
ドリーは腕を手持ちのナイフで軽く斬り僕に血を垂らしてくる。
その血は僕の中に入り込み、血を血が喰らい何かが変化していく。
そして、意識が遠退いていく。
今日、この日、僕の人生は大きく変わった……のか?
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