第11話 わくわくパジャマパーティー♪ お風呂も有るよ!⑥

 パジャマパーティin早百合宅。時刻は夜7時。

 8月末なので、まだ陽は沈んだばかり。


 気分重視でもうパジャマ着替えちゃったけど、お楽しみのお風呂イベントはまだ先です。

 早百合とはよく一緒にお風呂入ってるけど(もちろん入浴中もキス! のぼせない程度にね!)、当然ミルちゃんとは初めて。

 ど、どうしよう。私、理性保てるかな!?


 ……なんて、すっかり百合脳な私の桃色妄想をぶち壊すのは。


「ねえねえ、ミルちゃんはどんなホモが好き?」


「ふ腐、恋愛もいいけど、やっぱりスポーツとかバトルとか少年ジャ〇プ系ね! 男の友情が行き過ぎちゃうのが好き♪ 共通の夢、目的を追いながら育まれる愛! もちろん愛ゆえにぶつかるライバル関係も大好きよ♪」


「わぁ、爽やかだね♪ 私はがっつり恋愛系かな? 最初からガチホモより、ノンケが戸惑いつつ目覚めていく方が萌える♪」


 早百合とミルちゃん、桃色ならぬホモ色な、腐ガールズトークに花を咲かせてます。


(こ、これは! 僕の期待しているガールズトークじゃないよ!?)


 ステファニーの嘆きに、私も同感。

 てか、置いてけぼりじゃない、私?


「……むぅ」


「あ、あら。りりながむくれてる?」


 今頃気付いたし。いいですよーだ、二人で好きなだけホモ談義すれば?

 そのまま私のコトなんて忘れて勝手に盛り上がって愛にまで発展してキスでもなんでもすればいいのよ!

 やっぱだめ! 私も混ぜて!?


「ふふ、ジェラシーしてるりりなも可愛いよ♪」


 そんな私に早百合は、ポッキーを一本、指でつまんで。


「はい、これはお詫びよ。あーんして?」


 も、もう、可愛いなあ。許しちゃう!


「あ、あーん」


 口を開けて、ポッキー挿入を待つのだけど。そのまま早百合の白くて綺麗な指をちゅぱちゅぱしちゃおうかなーとか、考えるのだけど。

 ちょこん、とポッキーの先端が唇に触れたと思ったら。


「ふふっ」


 早百合、くるっと私の唇からポッキーを遠ざけ、それを自分の唇に。


「ちゅっ♪」


 と、間接キスしてから、自分で咥えちゃいます! そして眼を閉じて、お祈りみたいに指を組んで!


「んー♪」


 キスをねだる顔だよ!?

 こ、これは! アレをやれってコトね! ポッキーだもんね! お約束だよね!?


「も、もう。しょうがないなー♪」


 ポッキーじゃ仕方ない。早百合が片方咥えてるなら仕方ない。

 反対側から私もポッキーを咥え、ポリポリ、ポリポリと。

 二人一緒に食べ進めます!


 そして、もちろん終点は?


「ちゅぅーっ♪」


 キスでゴールイン! と思いきや、まだまだいくよ!

 理性という名の終点なんて、とっくに壊れてますので!


「あ、貴女達! いきなり何ディープキス見せつけてくれてるのよ!?」


 ミルちゃんの声もどこ吹く風。互いの口腔内に残った溶けたポッキーを、舌で舐め取り合います♪

 私と早百合、両方でぺろぺろ舌を絡ませ吸い合ってるので、なかなか無くならない!


「ん、ふぅ、むぅん♪ ふ、ふぅ、くぅっ♪」


「にゅぷっ、ちゅ、にゅるぅ。くちゅ、ちゅるんっ♪」


 ぴちゃぴちゃと響くHなキス音。

 でも、女の子2人でポッキー食べたら普通こうなるよね? なるよね!?


「ぷはっ!」


 完全にポッキーの味が無くなり、口の中がお互いの味だけになったところで、早百合が唇を離す。

 あれ、もう終わり? まだ10分しかキスしてないのに?


「えー、短いよぉ?」


 つい物欲しげな顔になっちゃう私に、早百合は。

 オトナのお姉さま♪な表情で、私のあごをクイってして、淫靡な笑顔! ホントに中学生?


「ふふ、オトナの時間にはまだ早いもの。楽しみはとっておきましょう? あとで、たっぷり可愛がってあげる♪」


「はい、お姉さま♪」


 これは、今夜は眠らせてもらえなそうです♪


「……同志早百合、今回の目的を忘れてない?」


 ジト目で睨むミルちゃんに、早百合、びくっと震える!


「そ、そうね。そろそろ本題に入らないとね」


 本題? なんの話だろう。

 首を傾げる私に、早百合とミルちゃん、手を取り合って。

 じっくり溜めを作って。


「「ぱんぱかぱーん! 今夜のパジャマパーティの、お題を発表しまーす!」」


 すっっ、ごく楽しそうに宣言!


「「宮野りりなさん! 今夜は、貴女にもBLの素晴らしさに目覚めてもらいまーす♪」」


 な、なんですとぅ!?

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