第11話 わくわくパジャマパーティー♪ お風呂も有るよ!⑤

 早百合の部屋は、カーテンとか壁紙とか全体的にピンク。

 ぬいぐるみとかたくさん有って、すごく女の子女の子してる。


 くんくん。ふぇぇ、いい匂い♪


 ……はっ! 最初から飛ばし過ぎ!?


「落ち着け私! まだ夜は長いんだよ!?」


 はい、というわけで! 8月も終盤の土曜日。

 やってキマシた、パジャマパーティ当日!


 私たち3人は、埼玉県狭山市の早百合のおうちに集合。

 豪邸、とまでは言わないけど結構大きなおうち。早百合の部屋は8畳、端っこにベッド。

 40型かな? 大きなテレビもあって。正直中学生の部屋としては、けっこう凄い。

 てか、ちょっとしたリビングみたい。


「ふふ、自分の部屋と思って、くつろいでいいのよ。だって私とりりなが結婚したら、この部屋は2人の愛の巣になるんだから! ぽっ♪」


 くねくねしながら照れる早百合。


「……お姉ちゃんたち、頭だいじょうぶ?」


 早くも引き気味なのはミルちゃん。って、私も同じ扱い!?


「わ、私まだ何もしてないよ! まだ! 今はまだ! まだね!」


 まだを強調! 夜はわからないけどね!


「そう言いながら、私をぎゅっとしてくるの、やめてくれない? 暑苦しいのだけど」


 そう、私はミルちゃんを強くハグしてました!

 仕方ないよね、可愛すぎるんだもんこの銀髪ロリ天使!

 ほっぺたすりすりしちゃうよね! 柔らかいし♪ ぷにぷに♪


(いやー、女3人寄れば、かしましいと言うけれど)


 早百合コレクションのぬいぐるみに混ざって、念波で語りかけてくるステファニー。

 あ、元々このコレクションの一部だったんだっけ。


(美少女が3人寄ると、百合百合しいね! ア、理想郷アルカディア!)


 彼、ミルちゃんがパジャマパーティに来るって聞いて、なぜか渋い顔してたのだけど。

 やっぱり百合空間にいられれば幸せみたい。ぬいぐるみの顔がにやけてるよ!


 てか、さり気なくステファニー、私のことも美少女に入れたね。

 て、照れるなー。たとえエロくまに言われた言葉でもね。


 そんな私のパジャマは、水着の時と同じにオレンジ色の明るい配色。

 色が強めな分、飾り気は控えめに。デザインもシンプルな、パジャマらしいパジャマ。


 そして、私の目の前には。2人の天使。らぶりーエンジェル。

 はい、早百合もミルちゃんも可愛すぎだし!


「ふわぁ、早百合のパジャマ、お嬢様って感じだぁ……」


「ふふ、ありがとう♪」


 綺麗な黒髪ロングの早百合によく似合う、清楚な純白のワンピース。

 これも水着の時と同じ色、やっぱり白似合うなー。


 甘すぎない程度のフリルが、貞淑な乙女の印象で。

 胸元の小さな赤い紐リボンが、ワンポイントで目を引いてキュートだよ♪


「ミルちゃんは、なんだかお姫様みたい! ゴスロリ似合いすぎだよ♪」


「も、もう。おだてても何も出ないからね?」


 ミルちゃんのパジャマは、ゴスロリドレスみたいな真っ黒でふりふり!

 長くてふわふわの銀髪に、白い肌。緋色の瞳と相まって、吸血鬼のお姫様にも見えるかな?

 ううん、むしろお姫様にしか見えないよ!! さもなくばロリ女王!!


「おだててなんかないよ! ミルちゃんも早百合も、すっごく可愛いし!」


 つい力説しちゃう私。

 ミルちゃんは照れ照れしながらぷいっとそっぽ。


 あ、この反応可愛い♪ ほっぺたつんつんしたくなるね!

 もちろん早百合も可愛い!

 にこっと微笑めば、見える! 私にも花が見えるよ!?

 空間に、ぱぁっと咲き誇る花が! 確かに見えるよね皆!?

 これが、最上級の美少女にのみ許されるという伝説の「背景に花咲かせ術」!?


「ふふ、りりなだって、すごく似合ってるわ♪」


 すす、と自然に腕を組んで、胸を押し付けてくる早百合!

 も、もう。ミルちゃんが見てるよ?

 照れながらも私。早百合の黒髪があんまりすべすべで、良い匂いなので!

 つい手に取って、くんかくんかしちゃったり♪


「いいなー、羨ましいな。私、地毛からして、ちょっと茶髪だしさ?」


「ふふ、りりなが褒めてくれたから、大事にお手入れしてるのよ♪」


 私達キスしなくても、これくらいなイチャつきは余裕です!

 ミルちゃんは、そんな私達についてこれるかな?


「ふ、ふふ。やるじゃない! 早くも百合を見せつけてくれちゃって!」


 ……あ、なんか顔が引きつってるし。し、刺激が強いかな?

 心配する私をよそに、何やらミルちゃんは小さな声でぼそぼそと。


「でも、そんな余裕でいられるのも今だけよ宮野りりな。貴女には、我が最強宝具をお見舞いしてやるんだから。ホモの素晴らしさに目覚めさせてあげるからね! ふ、ふふふふ腐腐腐腐……♪」


 な、なぜか背筋に寒気が走るよ!?

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