第6話 恐怖! ピンク髪の百合キス魔(主役)!③

 愛ある百合は地上の正義、黄金の魔剣で女の子(だけ)を護る!

 百合魔法少女マジカル☆リリィ、参上です!


「み、宮野!? その格好は!?」


 絢子先生に説明!


「えっと、私、魔法少女なんです! 女性とキスして、愛の力で変身するんです!」


「なぜ女性限定!?」


 ごもっともな疑問に、ステファニーが答える!


「男子とキスして変身なんて、そんなふしだらな魔法少女、誰が見たがるんだい!? それじゃ視聴率稼げないよ! 女の子同士だから良いんだよ!!」


 女子同士はふしだらじゃないのか、とか今はツッこまない!


「細かいことは後! 悪魔め、覚悟なさい!!」


 びしぃっ!!

 屋上から、校庭に立つ悪魔を、操り人形と化した男子達を従える、シュラムエントを指差す!


「無理矢理男の子同士キスさせるなんて! そんな愛の無い所業、天が許しても私が許さない!!」


「お、お前も私の唇奪ったろうが!?」


 絢子先生の抗議は無視!

良いの、百合は正義だから!!


「くくく、勇ましいですな。ですが、我輩の攻撃は、まだ終わってませんぞ!」


 シルクハットの悪魔紳士シュラムエント!

 不敵に笑い、ステッキを掲げる!


「さぁ、我輩のしもべ達よ! お前達のBL、百合魔法少女めに見せ付けておやりなさい!!」


 びくん!

 悪魔の命令に、男子達(あと校長先生と教頭先生)は!


 再び男同士で熱く抱擁!?


 カチャカチャ、ベルトを外して、ズボンを降ろして!?


「えぇっ! ま、まさか!?」


 ♪♪!?♪♪!?♪♪!?♪♪!?


 こ、これ以上は描写出来ません!?


「ごぶあぁ!?」


 百合魔力が逃げる!

 ちゅどーん、謎爆発と共に私、吐血!!


「ああっ、しっかりマジカル☆リリィ! 先生とキスして魔力チャージだ!?」


「せ、先生! 私とキスして♪ キスしてください♪」


「い、嫌ー! 襲われる!?」


 もちろん、ちゅっ♪


「キマシタワー!」


 おしっ、私の魔力、回復ぅ!


 しかし!


「おのれ、まだまだですぞ! さぁ、お前達!!」


「ホモォ♪」


 濃厚特盛BLシーンに、ちゅどーん、私爆発!!


「せ、先生! キスして!?」


 はい、この流れを10回くらいループ、繰り返し!!


「い、いつまでやらせるかぁっ!?」


 私のキスマークだらけになった先生、私の脳天にチョップ!


「キス魔か! お前はキス魔なのか!?」


「ひ、ひどい! 私のせいじゃないし!?」


 悪いのは悪魔ですよ先生!?

 ま、まぁ、私もちょっと楽しくなってきてたけど!?


「と、とにかくマジカル☆リリィ! このままじゃきりがないよ! まずはあの精神攻撃を止めよう!!」


「オッケー、ステファニー!! でも、どうやって!?」


「刺せ!」


 ……。


 ……もっぺん言ってみ?


「刺せ! 男どもを!!」


 も、もしかして私の魔剣で!?

 男子達を!?


「いやいやいや、死ぬし!?」


「大丈夫だよ! 多分だけど! 君の魔剣は魂の力、精神エネルギーの結晶だ! あの悪魔の分身体と同じ、エネルギー体だけにして、ぶつけてやるんだ!!」


 そ、そんなこと出来るの? 初耳なんですけど?


「出来るよ! ……多分」


 て、適当!?


「ほ、ホントに大丈夫なの!? 私、一応正義のヒロインよ? 殺人沙汰はまずいわよ!?」


「まぁ何とかなるよ! ならなくても、男子なんてどうでも良いよ! どうせ10分以内なら、僕らの再生魔法でどうとでも出来るし!!」


 だ、男子の扱いが軽すぎる!?

 いくら「百合」魔法少女だからって……!


 で、でも!

 このままでは勝機は見えず!!


「分かったわよ!? や、やってみる!!」


 私は魔方陣から自らの武器、黄金の魔剣を呼び出し! 展開!


 輝く光の刃! 百合魔法剣!


 その数……10本ッ!!!


「……あれ?」

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