第44話 イギリスライブ再び!

朝、目を覚ます昴。すると何かをカップに

入れる音が聞こえてきた。


「おはようございます昴様」

「あんたは?」

「ここのメイド長をしていますサラと

申します」

「メイド長ね。何人いるんだここには」

「百人います。執事と合わせてですが」

「この家の広さならいてもおかしくは

ないか」

「あまり驚かないのですね」

「知りあいに同じ奴がいるからな」

「ミラ様と同じ程の人がいるのですか?」

「まぁいるだろうな」

「昴様、朝食が出来てますので着替えが

終わりましたらお連れしますので」

「わかった」


言われた通り着替えてミラに案内され

リビングに向かった。すでにミラが

いるが何か雰囲気きが違って見えた。


「おはよう昴」

「お前、ミラか?」

「そうだけど」

「なるほど。中と外で違うのか」

「まぁ一応こう言う家だからな」


一緒に朝食を食べ終え、部屋に戻る。

昴の部屋にミラがやって来た。


「今日はどうする?」

「そうだな。ライブでもするか」

「ライブ?」

「こっちでもライブハウスがあるしな!」

「昴のライブ見たい」

「出来るなら見せてやるよ。金は取る

けどな」

「いくらでも出してあげるわ」


やはり超金持ちはこのセリフを言うので

あった。


街に行く前にネットでライブハウスの

ある場所や出演できそうな場所を

検索した。


それで見つけた場所に向かい、ミラと

一緒に行き、出演交渉する。


難しいかと思われたが、すでに昴は

こっちでも有名人で、ライブハウス

側からしたら願ってもない事なので

あっさり許可がおりる。


ライブは夕方からなので店の人達と

リハーサルをする。このライブハウスは

MISERYと言う名前の店でこの辺りでは

有名な方だ。


この日も人気のバンド達がなん組か出る

予定で、飛び入りの昴だが、店側が

二曲演奏していいと言ってくれた。


「これでいいかい?昴」

「大丈夫だ」


店の店員の女性、シエラと打ち合わせを

終え、控え室に戻る。一度ミラと

出かけ時間をつぶしていく。


MISERYに戻り準備をする。客のキャパは

千人程で、カウンターがあり、大人が

飲みながら見る事もできるが、昴に

そう言うのは関係ない。


時間になり、先に他のバンド達が演奏を

する。昴はそれを控え室のモニターで

見る。全ての組が終わり、トリの昴の

番になった。


すると、シエラが本日のスペシャルゲスト

として昴を紹介すると会場は盛り上がった。

その昴がステージに現れると拍手喝采が

起きた。


そのまま昴は演奏をする。他のバンド達は

歌ありだったが、昴はインストのみだ。

それでも、一曲終わると拍手喝采と

アンコールが響きわたった。


二曲の予定なのでもう一曲演奏し、会場は

今まで一番の盛り上がりになったようだ。


ライブは無事終わり、客がいなくなった

店で、ミラと一緒にシエラの料理を

いただきながら打ち上げをした。


シエラから出演料をもらい、また出てほしいと言われるが、明日には帰るので

夏休みにまた来ると約束をし、店を

出た。


その後、ミラとテムズ川のそばにある

公園でゆっくりした。


「もう帰るんだな」

「ああ、春休みは短いからな」

「また来るよな」

「シエラとも約束したしな。それに

この街、この国は俺が認めた場所だ。必ず

また来るさ。今は稼げるしな」

「お前が来るなら旅費は全部出して!?」

「それはお前には良くない事だ。自分の

事は自分でするさ。旅費も全部自分で

稼いで自分で使う事に意味があるからな」


昴はミラの口に指を当てながら言った。

ミラもその意味を理解し、うなずいた。


「じゃあまたな」

「うん。絶対にまた来いよ!今度はデート

するからな」


今度はミラが昴にキスをし、別れた。

めぐみの別荘に戻り、帰国の準備を

する。めぐみにはライブに出た事は

内緒にし、ただ観光をしていた事に

した。


そうして翌日、昴達は日本に帰り、春休み

が終わり、二人は三年生になった。



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