第45話 昴の中学時代の後輩、佐伯ほのか登場!
四月、昴達も三年生になり、クラスは
ほぼ、変わらず、チーム霧島は
もちろん、めぐみも全員同じクラス
になった。
入学式ではめぐみのライブもあったりと
新一年生達は驚いていた。
そのライブには昴も参加していて
女子達は黄色い声援をおくっていた。
数日が経ち、学園も普通に戻っている。
昴もしばらくはツアーもないので
学業に戻る。
そんなある放課後、昴のクラスの前は
いつも女子達が昴を見に来ているが
教室の中までは入っては来ない。
でも、この日は違い、一人の女子生徒が
昴に話しかけて来た。
「先輩、久しぶりです」
「・・・お前、何でこの学園にいる?」
「先輩に会いに来ました」
その言葉に近くにいたチーム霧島達が
驚いていた。勇也達は昴の中学時代を
知らない。昴は中学は東京だが秋葉
ではなかった。だから、高校は中学の奴
らが誰もこなさそうな場所にしたのだ。
「霧島、この可愛い子と知り合いなのか?」
「ああ、中学の後輩だ」
「中学の」
「そう言えば、昴君の中学の時の事
聞いた事ない」
「それで、あなたは?」
「私は佐伯ほのかです。皆さんは先輩と
は仲間なんですか?」
「ああ、俺達はチーム霧島だ」
「チーム?」
「ええ。昴君と一緒のグループって
感じかな」
「先輩が、誰かと一緒なんて」
「勘違いするなよ。俺は今でも人嫌いだ」
「・・・とてもそうは見えません。今の
先輩はあの頃とは全然違います。ライブ
なんかもしたりして。先輩は変わりました」
クールな感じで、細いがスタイルは良い
ほのかだが、何故か少し悲しそうな顔をしていた。
その後、昴はほのかを連れてバイト先の
ファミレスに連れて行った。
そこで昴が食事をおごり、そこから
昴の部屋に連れて行った。
「ここが先輩の部屋」
「悪いな。こんな古くさい所で」
「いえ、先輩の事は知ってるつもりです
から。でも、ミュージシャンって儲かる
んじゃないんですか?あの朝霧涼介と
一緒にライブやるんですから」
「俺はまだデビューしてないからな。まぁ
契約はしてるから稼いではいるがな」
「それならもっと良い所には」
「そこまでの余裕はない。そこは勘違い
するなよ。俺には一つの余裕もないからな」
「すいません。先輩、まだ傷は消えない
んですか?」
「これは永遠に消えないさ。痛みもな」
「・・・先輩」
ほのかは昴のバンダナをほどき、傷を
舐める。昔の昴はすぐにやめさせたが
今は好きにさせている。
「先輩、やっぱり優しくなりましたね。私
は、前の先輩の方が良かったです。クール
で誰も近づけさせないそんな先輩を
私は好きでした。他の女子達も少なからず
あの時の先輩の方が良いって思って
ますよ」
「あんな俺を良いって思う奴いるのか?」
「ここにいます。まぁ、今の先輩も
先輩ですから好きですけど」
「それはありがとな。だが、俺は誰かと
付き合う事はしない。そこは変わらない」
「それでも、先輩の近くにいれるなら
それだけで良いです」
ほのかは昴に抱きついた。それ以上の
事はしなかったが、ほのかは普通に
帰って行った。
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