第40話 いつもと違う日常。藤原慶子とデートに!?

衝撃の武道館ライブから1日が経った。

この日は仕事は休みなので、ゆっくり

買い物などしようと思い、家を出たが

駅についたあたりから何か回りから

見られてる視線を感じた。


そして、電車を待ってると、女子高生達から

声をかけられた。


楓と言われたので一瞬沈黙したが、すぐに

あ、自分かと返事をしてしまった。

その女子高生達にサインを求められ

昴は初めてサインをした。


それを見た他のファンらが昴に押し寄せて

来た。昴は忍者の如く、そこから姿を

消した。


そうして、一度買い物を中断し、会社に

向かい避難した。


スタジオに入るとそこにはIcegirl達が

いた。


進藤菫、神楽坂彩華、楠蘭の三人が

昴に声をかけてきた。


「あ、有名人だ」

「は?」

「やっぱり、自覚ないのね」

「あれだけのライブをしたのに」

「デビューしてないのに、私達抜かされた

感じだもんね」

「・・・悪かったな」


昴は部屋を出た。廊下を歩いていても

スタッフから、ライブの事やファンが

出来てるとか、色々言われるので

会社を出た。


街に出て、どこに居ても自分への

視線が消える事はなく、昴はとある

飯屋に入った。


そこでも視線は感じるが、話しかけ

られるまではなかったが、やはり誰か

から声をかけられた。すぐ消えようと

したが、その声は聞いた事がある

声だったので、振り向くとそこにいた

のは藤原慶子だった。


「お前か」

「久しぶり。有名人さん」

「お前も知ってるのか」

「それはね。テレビ見た時はビックリした

けど、まさかあんたがデビューしてた

なんてね」

「デビューはしてない。今はただのバック

バンドだ」

「そうなんだ。でも、反響はすごいよ!

SNSでも、楓の事で話題がもちきりだからね。デビューしてなくても、立派な

有名人だよ」

「・・・藤原、今日付き合ってくれるか?」

「いいけど、もしかして怒ってるか?顔に

出てるし」

「わからん。こんな風になるのは初めて

だから、たぶん、混乱してる」

「そっか。よし、今日は1日デートして

やるよ。もちろん、食うのがメインだけ

どな」


いつも通り接してくれる慶子に昴もどこか

落ち着けれたので、この日は一瞬に

店を回り、大食いを競いあった。


夕方頃、昴は誰もいなさそうな公園で

慶子と休んで行く。


「落ち着いたか?」

「なんとなくな。でも、これからはこんな

風にしないといけないのか」

「人嫌いのお前からしたら、辛いかもな。でもさ、ライブをしたのは自分の意思だろ?

なら、自覚しないとな」

「自覚か。面倒だが、そうするしかない

様だな」

「ま、私が言っても説得力ないけどな」

「それでもハッキリと言ってくれるだけ

ましだ。ありがとな」

「やっぱり、丸くなったよなお前。でも

その方が私は好きだぞ!元々格好いいしな

!そこに優しさが加わればお前は世界一

の男だよ。だから、知り合いの特権を

使わせてもらうぞ」

「!?」


慶子は昴にまたがりキスをした。


「嫌だったか?」

「嫌じゃないさ。でも、お前がするなんてな」

「私も女の子だからな。格好いい奴には

惚れるぞ!」


夜になり、二人は家に帰った。昴は

変な気持ちを慶子に解消してもらい

自分がした事に自覚を持つ事にした。

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